公開練習で拳を見せる王者ジェーソン・モロニー

　5月6日（月）東京ドームで行われるプロボクシング［WBO世界バンタム級タイトルマッチ］に向け王者ジェーソン・モロニー（33＝オーストラリア）が都内にて公開練習を行なった。 　モロニーは元Kー1王者で同級5位・武居由樹（27＝大橋）を挑戦者に迎えるが、武居は8戦全KO勝利中。モロニーは「武居選手の強さは、KOパワー、爆発力のあるスピード、パンチがキックボクシングのベースがあるということで普段とは違うパンチが来ると思う」と警戒。公開練習も軽めのシャドーボクシング１Rで済ませた。 【フォト＆動画】モロニーが公開練習で見せたパンチ！パリクテに豪快KO動画も 　王者モロニーは27勝（19KO）2敗とKO率7割で今回がプロ30戦目。18年に河野公平にTKO勝ち。20年10月に井上尚弥に7回でKO負けを喫したが、井上と戦うまで4連続KOでWBAオセアニア王座を5度防衛していた。井上に負けた後、井岡と王座戦を戦ったアストン・パリクテに3回KO勝利するなど勢いに乗り、5戦無敗で昨年5月に判定でWBO世界王座獲得。今年1月に前半戦苦戦しながらもタフネスぶりを発揮。後半追い上げ2-0の判定勝利、初防衛を飾っている。 　今回の公開練習前の会見でモロニーは「武居選手はとてもよい選手。そう思っているからこそ、長い時間をかけてトレーニングしてきた。トレーナーのアンジェロも言っているが、彼の爆発力があってスピードあるファイトスタイル、そしてキックボクシングのバックグラウンドから来るボクサーとはちょっと違った距離の取り方も含めて準備してきた。そういったところに対応するためにも3人のスパーリングパートナーを呼んだし、武居選手が何を持ってきても対応できるだけの準備を整えている」 　そして武居の警戒している点について「武居選手の強さは、KOパワー、爆発力のあるスピード、パンチがやはりキックボクシングのベースがあるということで普段とは違うパンチが来ると思う。集中力を切らさず目を逸らさずに戦わなければならないと思うが集中力の高さはある方だと自負しているので、そういったところ気をつけたいと思う」と、これまでのボクサーのタイプとは異質なところも警戒しながらしっかり準備してきたとした。 　どのような展開になるかと聞かれると「当たらなければ勝つ」とし「ここでの鍵となるのは私自身が真のプロボクサーであるということ。十分準備はしてきた、最高のコンディションを整えてきた。あとはいい試合をするだけ」とプロボクシング30戦目を迎え、アマチュア歴も豊富なモロニーが自信の発言。サウスポー対策も万全だとした。 　挑戦者・武居の挑戦は確かに王者モロニーに時期尚早なのではとの声もある。 　武居は4月15日の公開練習時、「相手も強い選手、気を抜いたら絶対に倒される」と警戒も「1カ月前の発表会見の時のままでは絶対に勝てなかった」とし、スパーリングは今まで最も積んできたとその成長と自信を明かした。今回の会見後、八重樫トレーナーは武居の調整は順調だと報告。 　武居が世界王者にどのような戦いを見せるか、プロボクシング９戦目で世界王者になることができるか。