うまく話せることがコミュニケーション上手とは限らない。伝えたいことをひと言にまとめるための8つのプロセスとは
ひと言でまとめる技術#1
「何がいいたいのかわからない」「メールが長文すぎる」といった指摘を受けたことはないだろうか? 【関連書籍】『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』
わかりすく、相手に伝えるためにひと言でまとめるスキルについて『ひと言でまとめる技術 言語化力・伝達力・要約力がぜんぶ身につく31のコツ』(アスコム)より一部抜粋。再構成してお届けする。
ひと言でまとめる前に、まずは自分を知り、相手を知る
問題 コミュニケーション能力とはなんでしょう? ●人前でうまく話せること ●分け隔てなく人付き合いができること ●人にやたらと気に入られること 近ごろは、人付き合いが上手だったり人前でうまくしゃべれたりする人のことを「コミュ力お化け」などと呼び、もてはやす傾向にあります。 では、コミュニケーション能力とはいったいなんなのでしょうか? 多弁、雄弁であること?はたまた、相手にうまく気に入られること?それとも、とにかく話し方がうまい人のことでしょうか。私は、どれも違うと思います。 私が考えるコミュニケーション能力とは、「相手とわかり合い、相手を受け入れる力」です。 人間は、お互いにわかり合うのがとても難しい生き物です。他人にがんばって何かを伝えたところで、本当に伝わったかどうかは確かめようがありません。なぜなら、自分はその人本人ではないからです。 だから、わかり合うことを前提としつつ、自らが他者を受け入れること、そういう自分になることが大切なのです。 「コミュニケーション能力= 受け入れる力」なのです。 これから「伝えたいことをひと言でまとめる」ことを学んでいく過程でも、「伝えることは受け入れること」であることを忘れないでいてください。
ひと言でまとめるための「8つのプロセス」を知る
「ひと言でまとめる」ためのプロセスを、8つに分けてお伝えします。 1 勇気(言う気)を持つ 2 自分を知る 3 伝えたい相手を知る 4 目的地を明確化する 5 「コア」を探す 6 ばっさり捨てる 7 相手がどう動いたかを観察する 8 人間関係を発展させる これらのプロセスを経ることで、誰でも「ひと言でまとめる」ことができるようになります。 便宜上、多くの方法論を提示していますが、情報が多すぎると思考がショートしてしまう危険があります。それを避けるために、とりあえずひととおりざっと見てみて、理解しやすいものから選んで実践してもらえればと思います。 ここでは、プロセス1、4、5について解説します。