議会改革ランキング政令市トップは堺市議会 東京23区議会は「改革遅れ」
地方議会の改革度を調べている早稲田大学マニフェスト研究所は14日、「議会改革度調査2016」のデータを基に、政令市、中核市、東京23区それぞれの最新ランキングを発表した。政令市では1位が堺市議会、中核市では大津市議会がトップとなった。東京23区は1位が品川区議会だったが、先に公開した全地方議会対象の全国ランキング上位300内に入ったのはこの品川区議会のみで、東京23区議会は、全国的にみて、改革の取り組みが遅れている様子が明らかになった。
政令市トップ4は3年連続変わらず
同研究所は2010年度からアンケート調査を実施。今回は全地方議会1788議会のうち、1347議会(回答率75.3%)から回答を得た。 政令市のランキングでは、1位堺市議会(最新全国ランキング7位)、2位 京都市会 (同10位)、3位 神戸市会 (同71位)、4位 新潟市議会 (同94位)となり、トップ4は3年連続変わっていない。5位は、過去3年間に3本の政策型議員提案条例を提出している静岡市議会が入った(前年度政令市ランキング12位、最新全国ランキング131位)。 中核市ランキングも大津市議会(全国ランキング2位)が3年連続のトップ。2位呉市議会(前年度中核市ランキング3位、最新全国ランキング34位)、3位横須賀市議会(前年度中核市ランキング13位、最新全国ランキング59位)、4位大分市議会(前年度中核市ランキング2位、最新全国ランキング60位)、5位枚方市議会(前年度中核市ランキング6位、最新全国ランキング86位)だった。 呉市議会は議員・議会の調査研究活動強化のため議会図書室に司書を配置、横須賀市議会は大学との連携で外部視点を取り入れる仕組みを導入した。
東京23区 2位以下の議会は全国上位300に入れず
東京23区ランキングでは、品川区議会が前年度の23区ランキングより順位を5つ上げ、トップになった(最新全国ランキングは293位)。2位は前年度と順位が同じで板橋区議会、3位千代田区議会(前年度23区ランキング1位)、4位豊島区議会(同3位)、5位新宿区議会(同12位)。12日発表した全国上位300のランキングの中で、政令市のトップ5議会は131位内に、中核市トップ5の議会は86位内と、いずれも上位に付けているのに対し、東京23区では2位以下の議会が300位までに入っていない。
一般市の議会より、議会改革を体系的に進める必要
同研究所の中村健事務局長は、「政令市、東京23 区、中核市は、一般市と比べ、議員数が多く、議会の合意形成が難しい」。そのため「議会全体の取り組みにつながりにくく、議会活動が成果につながりくいため、議会改革の取り組みを体系的に進める必要がある」とみている。その上で、例えば、政令市トップの堺市議会が改革を推進し、検証する議会力向上会議を設けているなど、「堺市議会、京都市会、大津市議会は体系的に活動する仕組みを取り入れている」としたコメントを出している。