フリーアナの笠井信輔さん「飛び立つ瞬間に羽をもがれて死を意識」 悪性リンパ腫の判明した時の心境、岩国で講演
血液のがんの悪性リンパ腫を患ったフリーアナウンサーの笠井信輔さん(60)が10日、山口県岩国市由宇町の由宇文化会館で講演した。「どんな時も諦めず前向きに生きることが大切」と訴えた。 笠井さんは講演で、悪性リンパ腫が判明した当時の心境について「フジテレビを2019年に退職してフリーになった直後だった。飛び立つ瞬間に羽をもがれた。死を意識した」とした。 治療は20年に終わったが、4カ月半の入院生活や抗がん剤治療の経験を説明。「つらい治療だったが、家族の支えで乗り切れた」と述べ、「再発の恐れはあるが、せっかく返してもらった命。覚悟を決めて人生を楽しみたい」と笑顔で語った。 また、男性の子育てへの協力が一般的ではなかった約30年前、上司に批判されながら番組を休んで出産に立ち会ったことや学校行事に参加していた思い出にも触れた。 市内の看護師女性(45)は「悪性リンパ腫の母がいる。笠井さんが言われた通り、頑張ってではなく、よく頑張ってるねと声をかけたい」と話していた。 市教委の主催で約250人が参加した。
中国新聞社