通算60試合登板左腕 オリックス打撃投手から現役復帰 独立リーグでNPB復帰目指す【プロ野球12球団去る人】
11月の秋季キャンプを最後に退団したオリックス・久保拓真打撃投手(28)は、関西独立リーグの堺シュライクスに入団することになった。「やるからには全力でやる。その気持ちがなければ、シュライクスにも失礼なので…」。2023年までヤクルトでプレーし、主にリリーフとして通算60試合に登板した左腕。かつて輝きを放ったNPB復帰を目標とし、ブランクを埋めるために鍛錬の日々だ。 【写真】始球式をした久保拓真の妹・和咲捕手 オリックス在籍は1年。丁寧な投球で野手陣や球団にも信頼され、同時に大きな刺激を受けた。「負けが続いても、チーム一つで戦う団結力を感じた。オリックスの野球が楽しそうに見えた」。一度は現役を退いた身。情熱を抑え込もうとしたが、母・美紀さんの言葉で気持ちが揺れた。 「もう一度、野球をしているところが見たい」。22年には日本シリーズでも2試合に登板。「スワローズのおかげで、この世界に入れた」と、プロとしてしびれる舞台を味わっていた。「老ける年齢じゃない。体が動くのなら、やりなよ」と、同じ96年生まれのヤクルト・清水が背中を押してくれた。シーズン終了後、球団に現役復帰の希望を伝えた。 12月は大阪・舞洲の球団施設で自主練習。「本当にありがたいですね」と、球団の厚意に感謝した。体重は4キロ減らし、現役時と同じ75キロが目標だ。1月はソフトバンク・近藤や、日頃からかわいがってくれる西川の自主トレに同行する。「年齢も一番上みたいなので、背中で引っ張っていけるように」と戦える体に仕上げ、新天地の堺でも手本となるつもりだ。肩や肘は健康そのもの。夢を追い、真っすぐに駆ける。(オリックス担当・長田 亨) ◆久保 拓真(くぼ・たくま)1996年7月27日、佐賀県生まれ。28歳。福岡・自由ケ丘高から九州共立大を経て、18年のドラフト7位でヤクルトに入団。22年に自己最多の29登板。23年限りで現役を引退し、アシスタントスタッフとしてオリックスに入団。通算成績は60試合で1勝1敗9ホールド、防御率4・31。175センチ、79キロ。左投左打。
報知新聞社