中日、終盤3イニング連続併殺打放つ拙攻…リーグ戦再開後は11試合15得点の厳しい状況に打線の奮起を
◇3日 巨人6―1中日(前橋・上毛新聞敷島球場) 上州の風は竜への追い風とはならなかった。中日は3日の巨人戦(上毛新聞敷島球場)で1―6の完敗を喫した。打線は群馬県出身の巨人・井上温大投手(23)に抑え込まれ、6回からは3イニング連続で併殺打を放つ拙攻。順位はヤクルトと並ぶ5位タイとなった。5日からは本拠地・バンテリンドームナゴヤでセ・リーグの首位を走る広島を迎え撃つ3連戦。苦境を脱するには、打線の奮起が何よりも必要だ。 少し離されると、竜は追い掛けることすらできない。3回に3点を先制され、その後に追加点を献上し、5回終了時点で0―4。6月14日のロッテ戦(ZOZOマリン)を最後に、試合前時点で12試合連続3得点以下の打線にとって、この点差は致命傷となった。 「(巨人・井上は)立ち上がりは不安定なところがあってチャンスをつくったけど、その後立ち直った。力のあるボールを投げていた、最初の3点は厳しかった」。立浪監督も厳しい表情を浮かべるしかなかった。 指揮官が振り返った通り、チャンスがなかったわけではない。1回は2死から細川、カリステの連打で一、二塁のチャンスをつくったが、板山が空振り三振。4点を追う6回は1死から田中、細川の連打で一、三塁とした。しかし、反撃のチャンスでカリステが初球の真ん中へのフォークを捉えられず、三塁への併殺打に。7回、8回も走者を出したが、ゲッツー。終わってみれば、今季最多タイの3併殺打を喫してしまった。井上の直球と変化球のコンビネーションの前に、ホームが遠かった。 和田打撃コーチは「真っすぐが良いのは分かっていたけど、ここまで制球良く投げられるとは思わなかった。(3併殺打は)真っすぐに差し込まれていたことが大きかった」と振り返る。リーグ戦再開後、11試合を戦って15得点。厳しい状況に変わらない。それでも、5勝5敗1分と踏ん張っている。ただ、得点力不足が少しでも改善されない限り、なかなか連勝を伸ばすことは厳しい。 点が入らない状況だからこそ、指揮官は1点を防ぐ意識をもっと高めなければならないと説く。ヘルナンデスの3ランで先制を許した3回、無死一塁で打席の井上はバントの構え。涌井はファウル2つで追い込んだ。3球目。バントが三塁線へ転がる。三塁の福永は一塁へ送球し、1死二塁になった。立浪監督は「もうちょっとチャージしないといけない。ピッチャーのバントで二塁でアウトにできなかった。あそこが一番の反省点です」と話す。その後に先制の一発が飛び出したことより、ピンチを広げた守備を悔やんだ。
中日スポーツ