中沢元紀“航平”の懐にするりと入ってしまう、小林虎之介“太一”の人懐っこい明るさが感動を呼ぶ<ひだまりが聴こえる>
中沢元紀と小林虎之介がW主演を務めるドラマNEXT「ひだまりが聴こえる」(毎週水曜深夜0:30-1:00、テレ東系)の第1話が、7月3日放送された。周囲と壁を作ってきた航平(中沢)の懐にするりと入ってしまう太一(小林)の人懐っこい明るさが描かれて、胸がジーンと温かくなった。(以下、作品のネタバレを含みます) 【写真】太一(小林虎之介)の傷を手当してやる航平(中沢元紀) ■「ひだまりが聴こえる」とは 本作は、文乃ゆきによる同名漫画が原作。難聴によっていつしか人と距離を置くことが当たり前になってしまった大学生・杉原航平と、明るくまっすぐな性格の同級生・佐川太一が、聴覚に障がいのある生徒に講義内容をリアルタイムで伝えるボランティア“ノートテイク”によってつながっていく姿を描く、切なくもはかないヒューマンラブストーリー。 また、太一の友人・横⼭智紀(通称:ヨコ)を宇佐卓真、同じく太一の友人・安⽥哲(通称:ヤス)を夏生大湖、料理教室の先生である航平の母・杉原涼⼦を西田尚美、太一の祖父・佐川源治をでんでんが演じる。 ■太一は難聴の航平のノートテイクに名乗り出る 中学の頃、突発性難聴を発症して以来、人と距離を置くことが当たり前になった大学生の杉原航平。ある日、いつものように1人でお弁当を食べようとしたところに、同級生の佐川太一が突如現れる。バイトをクビになり腹を空かせていた太一に、航平は無言で自分の弁当を差し出し、去っていった。 その後、航平は耳が聞こえづらいことを知った太一は、弁当のお礼にと、聴覚障がいのある生徒に講義内容をリアルタイムで伝えるボランティア“ノートテイク”に自ら名乗り出て、1回につき弁当1個を条件に航平のノートテイカーとなることに。 航平が太一と歩いていると手話サークルの女子生徒に話しかけられるが、航平はそっけなく行ってしまう。 ■太一「お前だって話しやすいじゃん」 航平と太一は並んで弁当を食べ、航平は手話は必要ない、人の口を読むほうが楽だと話す。「佐川くんにはそれもあんまり必要ないけど。よく通る声だって言われたことない?」と航平が聞くと、太一は「あるある、声でかいからうるせぇって」と笑う。 「いいことだよ。よく通るってことは、よく伝わるってことだから。それに佐川くんとは話しやすい」と航平。太一が「お前だって話しやすいじゃん」というと、航平は驚いて太一のほうを見る。太一がかまわずに「なのに、いつもひとりでいるよなぁ。ひとりでいるの好きなの?」と聞くと、航平は「別に」と罰が悪そうに視線を落とす。 太一が「てか、その佐川くんっていうの止めね?なんか宅配業者みたいだし。いいから名前で呼べ」というと、「わかった」と航平は答える。太一は航平に向かって顔をつきだして、航平を促す。航平が少し照れてから「…太一」と名前を呼ぶと、太一は満足そうに笑って弁当を口に運ぶのだった。 航平が周りと壁を作ってきたことが見て取れて切なくなるが、そんな航平の懐にするりと入ってしまう太一の人懐っこい明るさに救われて、胸がジーンと温かくなった。 ◆構成・文=牧島史佳