写真家・高野さん(富山)古民家改装、芸術発信へ 八尾にスタジオ、イベント活用も
富山市在住の写真家、高野裕輔さん(39)が、山あいの同市八尾町上黒瀬にある築約80年の古民家を、自身が4代目を務める「高野写真館」のスタジオに改装した。交流のある作家の作品展示や茶会といったイベント開催スペースとしても活用。「県内外の人とのつながりを生む場所にしたい」と話す。 高野さんは成人式や七五三の記念撮影や商業用の写真撮影などを手がけるほか、国内外の展示会に出品している。人間関係にとらわれず自然の中で仕事ができる拠点を探していたところ、顧客が住んでいた富山市八尾町上黒瀬の古民家に出合った。八尾の自然や、おわら風の盆をはじめとする文化…。この場所が気に入って約5年前に購入し、スタジオを構えることにした。 改装のデザインは建築家の吉田甫さん(高岡市)に依頼した。1階は伝統的な日本家屋にモダニズムの要素を融合し、壁面をカラフルに着色。2階は太いはりを生かし、クラシカルな空間にした。「庵(あん)-graph(グラフ)」と名付けて昨年10月にオープン。スタジオやギャラリーとして利用しているほか、高野さんが10年以上前から茶道をたしなんでいることから、茶道と芸術を組み合わせた茶会を定期的に開いている。
古民家と芸術を組み合わせた点が注目され、複数の国際的なウェブマガジンで紹介された。高野さんは「一見すると普通の古民家だが、中に入ると異世界を感じさせてくれる。この建物を芸術の発信地にしていきたい」と話している。