熱中症対策「暑熱順化」とは? 夏の猛暑を前に…実践のポイントは汗【バンキシャ!】
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18日は、東京都心を含む全国236地点で今年一番の最高気温を記録し、真夏日も続出しました。夏本番に向けて日本気象協会が呼びかけているのが、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」。いま始めた方が良いという熱中症対策を実践している人々を取材しました。ポイントとなっていたのは…。(真相報道バンキシャ!) ◇◇◇ 18日、群馬県前橋市。駐車場にはたくさんの車とテントが並び、フリーマーケットが開催されていた。この日、前橋市の最高気温は28.9℃。 ──(外においてある)この鍋、大丈夫ですか? 出店者 「熱いです」 ──触ってもいいですか? 熱いです。 こちらの人は…。 出店者 「麦わら帽子の裏に冷却シートを貼って」 ──中に貼ってあるんですね。 帽子の裏に、何枚も冷却シートを貼っていた。 気象庁によると、この先7月にかけて全国的に気温が高くなる見込みで、記録的な暑さになる恐れも。 前橋市民 「毎年毎年暑い暑いと言われている。体が追いつくかな」 ◇◇◇ 猛暑に負けないため、今呼びかけられているのが、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」。そのポイントは、汗。 群馬県前橋市にある北消防署で17日。 バンキシャ! 「真夏のような日差しの中、訓練が行われています」 消火訓練が終わると、「庁舎外周を走りたいと思います。時間は20分です」と、始まったのはランニング。普段とは違い、厚手の防火服を着たままだ。バンキシャ!も5分限定で体験。 バンキシャ! 「息が上がってきました」 「蒸し風呂に入っているような、熱がこもっている感じがします」 なぜ防火服を着て走るのか──。 指揮隊長代理 「『暑熱順化』トレーニングになります」 「真夏になる前に暑さに慣れるということです」 暑さに慣れていない人と、「暑熱順化」で暑さに慣れている人では、慣れていない人だと汗をかきづらく体の外に熱が逃げないため体温が上がりやすい。一方、暑さに慣れている人は汗をかきやすくなり体の中の熱をより効率的に逃がし、体温が上がりにくいという。 前橋市の北消防署では、今月からトレーニングを開始。気温が26℃を超える中、ランニングすること20分。訓練終了の時には、額や頭に光る汗。 ──訓練していると、やっぱり変わりますか? 消防隊員 「だんだん慣れてきて、夏には結構動ける体になる」 指揮隊長代理 「暑さにとらわれちゃうと人間は散漫になってしまう。『暑熱順化トレーニング』で、暑さに慣れて、危険の方に集中できるように。それが最終的な目標です」 ◇◇◇ 汗をかくことがポイントの「暑熱順化」を取り入れる学校も。 栃木県の宇都宮高校の剣道部を取材。剣道は防具をつけると熱がこもりやすい。夏本番に向け、ウオーミングアップの時間を増やし、汗をかきやすい体づくりを進めている。 剣道部顧問 「今まで汗かいた?汗かいてる?まわり見て、汗かいてない人いる?」 「こうやって多めに『暑熱順化』の行動をすると汗かきやすくなる」 ウオーミングアップの後には、本格的な稽古が30分続いた。 今の顧問が担当になってからの5年間、熱中症にかかった部員はいないという。バンキシャ!は、ある部員の体温を3回にわけてチェック。 ①練習前は36.8℃。 ②ウオーミングアップ後は37℃。 ③練習後は37.5℃。 映像と体温のデータを、「暑熱順化」に詳しい専門家の日本医科大学救急医学・横堀將司教授にみてもらうと…。 横堀將司教授 「しっかりと汗かいてますね」 ──これ(剣道部員の体温データ)からいえることは何かありますか? 横堀將司教授 「急激に体温が上がっていない」 「特に運動強度が強い運動をすると、体温は38℃を超えるくらい高くなる。体温をコントロールして順応できている」 体温の上昇が緩やかなことから、すでに「暑熱順化」がなされ、暑さに強い体になっていた。 (5月19日放送『真相報道バンキシャ!』より)