機力はトップ級に仕上がっている齊藤仁

＜17日・福岡ボート・5日目＞ 　きっちり封じ込めた。準優10Rで齊藤仁（47）＝東京＝は、インから0.04のトップSを決めてイン逃げで完勝。このレース最大のライバル枝尾賢に対し、「枝尾君が放ったのが見えたけど、自分はそのまま踏み込んだ」とチキンレースとなったS合戦で強心臓を見せて、強敵に何もさせなかった。 　機力も完調ムード。前検段階から手応えを得ていたが、さすがの調整力で正真正銘のトップレベルへと昇華させた。「伸びがいい人にも負けないし、出足や回り足もいい。全部の足が良くて自分好みに仕上がっている」。良機シリーズの中でも明らかに上位で、前検から6日間の時間をかけて万全の準備を整えた。 　5月に息子の廉が134期生として福岡支部からデビュー。父として息子が同じ職業を望んでくれたことが大きな力になっている。「息子がデビューする前は、年齢的にも成績的にも中だるみしている感じがあった。でも、今は張り合いが出てきて、もう少し頑張ろうという気持ちになっています。もうひと花咲かせたいな」 　廉が福岡支部ということからも分かるように、東京支部ながら現在は福岡在住。結婚とともに移住してきた妻の故郷である福博の街に愛着を抱いている。だからこそ決めたいのが福岡初V。「福岡は昔から成績がいいのになぜか優勝できていない。今度こそ優勝したい」。機力に気力も充実した今、機は熟した。息子に父の威厳を示すためにも、悲願の〝地元〟初Vを成し遂げる。（森　大輔）