プロ野球・オリックス

　◇○西武9―2オリックス●（24日・京セラドーム大阪） 　グラウンドに姿を見せた時の大きな拍手が、いかにファンに愛されたかを物語っていた。今季限りで引退するオリックスのT―岡田、安達了一、小田裕也が本拠地でラストゲームに臨み、「らしさ」を見せた。 　36歳のT―岡田は五回2死一、三塁で、代打で登場。この打席は中飛に打ち取られたが、七回は西武の右腕・今井達也の155キロの直球を力強く引っ張り、ライナーで右前打とした。九回には右翼ポール際に特大のファウル。通算204本塁打の鋭いスイングは健在だった。 　T―岡田と同学年の安達は六回に代打で出場し、そのまま遊撃手のポジションへ。堅実な守りで観客を沸かせ、八回には内野安打を放った。足と守りのスペシャリストだった34歳の小田は六回2死三塁で代走で出場し、ファンを喜ばせた。 　試合後のセレモニーで、安達は「Tがいなかったらここまでできていなかった。またTとオリックス・バファローズを強くしたいです」と話し、T―岡田は「苦しい練習や試合に勝てなくてつらいとき、ファンの皆さんの声援で前を向き、進んでいくことができました」と語った。 　セレモニーでは、中嶋聡監督の計らいで、今季で引退する41歳の右腕・比嘉幹貴と小田もあいさつ。比嘉は「ビールかけがあれば参加したい。ぜひ来年、招待してください」と笑わせ、小田は「長いようで短かった年月ですけど、本当に幸せなプロ野球人生でした」とすっきりした表情で話した。 　この日の観客は3万6217人が詰めかけた。球団によると、2019年6月の交流戦の阪神戦を上回り、05年の実数発表以降の主催公式戦では最多入場者数となった。オリックスを一筋に支えてきた功労者たちのラストを飾るにふさわしい、愛にあふれた本拠地最終戦だった。【石川裕士】