石原さとみの新境地となる話題作は沼津市で撮影! 映画『ミッシング』×吉田恵輔監督インタビュー
明日(5/17)に全国公開される映画『ミッシング』。幼女の失踪事件をきっかけにメディアやSNSに翻弄されながらも生きる人々の姿を描いた作品だ。失踪した幼い娘を必死で探す母・沙織里を石原さとみが演じる。2年前に子供が誕生した石原だからこそ演じられる母親像に注目したい。今回、映画誕生秘話から本作のロケ地に対するこだわりまでを吉田恵輔監督(「吉」は「つちよし」が正式表記)に詳しく聞いた。
「石原さんの役への徹底ぶりに感服しました。」
――『ミッシング』が生まれた経緯について教えてください。 吉田「映画『空白』(21)の続編的な作品を作りたいと思っていたときに、たまたま走ってくるミキサー車が見えて。“海沿いを走るミキサー車っていいな”“ミキサー車の運転手の人生を撮りたいな”と思ったのがきっかけです。そこからミキサー車の運転手の家族構成などを考えていく中で主人公が運転手の姉になりました。」 ――主人公に石原さとみさんをキャスティングした理由は何だったのでしょうか。 吉田「6年前、石原さんに“どんな役でもいいのでやらせてください”と言われました。そこからいろいろと作品を考えていたのですがなかなか石原さんに合いそうな役がなくて。今回の脚本を書いたときに沙織里は年齢的に石原さんで合っているけれど、イメージが全く浮かばなかった。だからこそ石原さんが演じれば面白いかもと思いキャスティングしました。」
――実際にご一緒してみていかがでしたか。 吉田「フリを一切やらずに100%全力で挑む姿勢が動物的だなと。動きが毎カットで違うから常に新鮮な瞬間を撮れるんですよね。あとは細部へのこだわりが凄い。撮影時には憔悴しきった主人公を演じるためにボディーソープで髪を洗い、リップクリームも塗らず荒れた唇を放置していて、役への徹底ぶりに感服しました。」 ――ロケ地についてもお話を聞かせてください。今回のメインロケ地は静岡県沼津市とのことですが決め手は何だったのでしょうか。 吉田「沼津市が今回の物語の舞台にぴったりの“ちょうどいい規模感”だったからです。街が小さすぎると子供の失踪は大ニュースとして取り上げられてしまう。少しだけ大きい街だからこそ“人の無関心さ”みたいなものが発生し物語にリアリティが出るのではないかと。あとはノスタルジックな建物も多かったのでいい意味で“寂れ感”が出ているのも高評価でした。」