映画『ゴジラ-1.0』…なぜ“マイナス1(ワン)”なのか? 作品から読み解く永遠のメッセージ
ゼロからマイナス…骨折した骨が完治すると、これまで以上に丈夫になるように…プラスへと。アメリカの「MonsterVerse(モンスター・ヴァース)」と混同してはいけないかもしれません。確かに『GODZILLA ゴジラ』(2014年)、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017年)、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2019年)、『ゴジラvsコング』(2021年)と続く海外の作品群も素晴らしいのですが…。 【予告編集+写真集】「ゴジラ」シリーズ予告動画を30作一挙見!|『ゴジラ-1.0』公開記念) これぞ真の、ゴジラからの新しくも永遠のメッセージです(本当は、永遠に続くことはないことを願っています)––。 映画の公式に発表しているあらすじは、「出兵していた敷島浩一(神木隆之介)は日本へ帰還するが、東京は焼け野原と化し、両親は亡くなっていた。人々が日々を懸命に生き抜いていく中、浩一は単身東京で暮らす大石典子(浜辺美波)に出会う。しかし、これから国を立て直そうとする人々を脅かすように、謎の巨大怪獣が現れて……」となっています。そして、公式サイトのイントロダクションページには、「生きて、抗(あらが)え。」の見出しのあと、「焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか――絶望の象徴が、いま令和に甦(よみがえ)る。」としています。 なるほど素直に言えば、「戦後0となった日本に巨大怪獣ゴジラが襲来することで、マイナス1になるってことね…」ということに。
山崎監督だからこその 戦後描写と群像劇に期待大
この映画の監督・脚本そしてVFX(視覚効果)を務めるのは、2005年に始まる「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ、2013年の『永遠の0』、2016年の『海賊と呼ばれた男』 でも 監督・共同脚本・VFXを務めてきた山崎 貴です。…ということは、前述に挙げた3作におけるあの時代の描き方、そして実写とCGを組み合わせる卓越した技術、さらにさまざまな登場人物を組み合わせ感動(および涙)をもたらす群像劇に仕立てる卓越したセンスは大いに期待できます。…とは言えおそらく、(あくまでも筆者の個人的な感想ですが)、2019年の『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』と『ルパン三世 THE FIRST』という3DCGアニメ映画で高評価を得られなかった氏なので、おそらくギークな人々は斜めの視線で観るだろうと予測もできます。 シンプルなお涙頂戴ものが大の好物であり、しかも人生初めて鑑賞した映画が『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』である筆者に関しては、この映画にはかなりの期待を抱いております。そのため、鑑賞のタイミングを慎重に考えすぎているため、まだ鑑賞できていないのにこんなことを書いて恐縮です。
時代を超えてゴジラが再び 心の中の-を+へと 転化してくれる…と期待大
2024年、生誕70周年を迎えるゴジラの熱が徐々にこれで熱くなってくるでしょう。そして2024年4月12日(金)には、日本の「ゴジラ」とアメリカの「キングコング」シリーズの融合リブート映画『ゴジラvsコング』の続編で「モンスター・ヴァース」シリーズ第5作目となる『ゴジラxコング:ザ・ニュー・エンパイア』の公開も待っています(一時はワーナー・ブラザースの公開スケジュールはストの影響を鑑みて2023年8月に見直されましたが、結局このタイミングとなりました)。