フリーアナウンサー・神田愛花『大谷翔平の奥さんがお手本だと思うな!』
世界的大スターのメジャーリーガー・大谷翔平選手。突然の結婚発表に驚かなかった人はいないだろう。SNSにはさまざまな意見が溢れているが、その中にどうしても反論したい意見があったのでここで書くことにした。 【画像】個性あふれる神田愛花さんの直筆イラスト(1回~47回)はこちら 奥様が大谷選手に同行していた際に持っていたバッグの話題を覚えているだろうか? 報道では「ファストファッションブランドの5000円のものではないか?」と伝えられた。「親近感が湧く!」「好感度上がる!」との声が多く見られる中、こんな投稿があった。 「ブランド物を欲しがる女がいたら、大谷の奥さんのことを言え。黒髪、地味な服、ブランドを持たない、お金に興味なし。こういうことだ」 神田さんの血管、ブッチーーーーーーン!! 「はあぁ!?」と大きな声が出た。 実際に奥様がどういう方なのかは、ここでは問題ではない。この投稿は、「茶髪で派手な服を着ていてブランド品を持つ、お金に興味がある女とは、結婚をしないほうがいい」と言っているのだ。腹が立った。その女は、私だからだ!! まず髪色について。女性が髪色を気にするのは、キレイでいたいと思うがゆえだ。黒髪だけが女性の髪色の正義ならば、「オメーは、黒髪が似合っていない女の子でも″この子可愛い!″って絶対に思うんだな?」と言ってやりたい。 次に服装。私を含め、私の女友達は皆、服が派手だ。というか、自分の好きな服を着ている、と言ったほうが正しい。彼女たちは、服で自分らしさを表現することで、「生きてる!」という実感を得ている。だからか、とても前向きで明るい。心も満たされているようで、旦那さん以外に異性を求めたり、人の悪口を言ったりしない。自由な服装をさせてくれる旦那さんに心から感謝をしているから、家事も真面目にする。″地味″な服が好きな女性と一緒で、ただ好きな服を着ているだけ。何が違うのか。「オメーは、『″イイ女″だと思われたいから我慢して地味な服を着てたけど、ストレスが溜まって、他の男とイチャついちゃった!』なんて彼女に言われても、文句言わないんだな?」と言ってやりたい。 そして……ブランド品が好きで何が悪い!? 女性は全員、異性に色目を使ってブランド品をおねだりしているとでも思っているのだろうか。そういう女性もいれば、自力で購入している女性も多くいる。そもそもなぜブランド品に魅力を感じるのか? 人気のブランド品には、女性の心を打つ物語があるからだ。 ◆まだまだ吠えまくる!! 例えば、60年以上世界中の女性の憧れである、CHANELのチェーンバッグ。ココ・シャネルは、女性も男性と同等に働ける世の中を夢見て、奮闘していた。当時、女性のバッグは手で持つハンドバッグが主流だったが、「肩にかければ両手が使えて、女性も働きやすくなる!」という発想から誕生した。これが世界初の女性用ショルダーバッグといわれている。 一生懸命働き「私もそろそろCHANELに相応(ふさわ)しい女性になれたかな!?」と購入する。いわば″ブランド品=目標″なのだ。目標のために頑張る女性の何が悪いのか。「オメーは、何も目標を持たずに、ただ生きているだけの女が好きなんだな?」と言ってやりたい。 最後に、お金への興味の問題。私はハッキリ言って、「お金に興味がない」と言う人は苦手だ。『国民の三大義務』のうち2つが″勤労″と″納税″。お金に関わることだ。生きるためには働いて生活費を稼ぎ、納税する。それらの義務を果たすことで、社会の仕組みや一般常識、人間関係を学ぶことができる。お金に興味がないと本気で思っている人には、大切なそれらの部分が抜けているのではないかと疑うし、無欲の人間は守るものがなく、いつか大きな罪を犯すのではないかと、怖い。「オメーは、お金に興味がないなんて言う女を、本当に一生好きでいられるんだな?」と言ってやりたい。 はー、スッキリした。今回は本気で吠えたなぁ。世の男性の皆さん。女性の茶髪や派手な服、ブランド好きや、お金に興味がある一面には、必ず理由があります。狭い視野で判断をせず、幅広い知識を持って女性を理解し、理由をちゃんと探ってあげてください。すると、その女性のより深い魅力に気づけるはずです。 かんだ・あいか/1980年、神奈川県出身。学習院大学理学部数学科を卒業後、2003年、NHKにアナウンサーとして入局。2012年にNHKを退職し、フリーアナウンサーに。以降、バラエティ番組を中心に活躍し、現在、昼の帯番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)にメインMCとしてレギュラー出演中 『FRIDAY』2024年4月26日号より イラスト・文:神田愛花
FRIDAYデジタル