先人たちへの思いを胸に ノーベル平和賞授賞式に臨んだ日本被団協代表委員・箕牧智之さん
広島テレビ放送
授賞式で登壇した、日本被団協の代表委員・箕牧智之さん。病を抱えながらも、先人たちへの想いを胸に、式に臨みました。 授賞式で、世界に向けて核兵器の廃絶を訴えた日本被団協。賞状を受け取った代表委員の箕牧智之さんも、強い覚悟を持って壇上に上がっていました。 ■ノーベル賞委員会 「2024年のノーベル平和賞は日本被団協」 ■日本被団協代表委員 箕牧智之さん 「え??え??」 「日本被団協?うわー電話せにゃいけんわ」 10月、広島市役所で報道陣らと共に聞いたノーベル平和賞の発表。 その後、訪れた中学校では拍手で迎えられました。3歳の時、父を探して母と共に広島市内に向かった体験を生徒たちに語りました。 ■箕牧智之さん 「広島市内でどれだけの放射能を浴びたか。当時は放射能ということさえみな知らんから、広島へ助けに行かにゃ助けに行かにゃいうてね」 現在82歳。体調は優れません。心不全で肺に水がたまっていたため、11月には入院。授賞式には強い覚悟を持っていました。 ■箕牧智之さん 「私としては、何としてでも行って、賞をもらうだけでなく、原爆の話、被爆証言をして世界へ、世界のみなさんに核兵器をなくすよう訴えたいというのが私の使命」 12月1日、3週間の入院を終えた箕牧さんはオスロに向かう準備に追われていました。必ず持っていこうと決めていた写真がありました。 ■箕牧智之さん 「これこれ。これを持って行こうと思っとったんよ」 県被団協の前理事長、坪井直さん。3年前、96歳で亡くなるまで被爆者の先頭に立って核兵器廃絶を世界に訴えてきました。 ■箕牧智之さん 「初めて会ったときは、雲の上の人のように見えたよ。坪井さん、ノーベル平和賞受賞にオスロに行くことになったよ、一緒に行きましょうという感じよね」 病を抱えながらも、先人への思いを胸にノルウェーを訪れました。 ■ノーベル平和賞授賞式ファンファーレ♪ これまで核兵器廃絶を訴え続けてきた多くの被爆者たちを代表して臨んだ式典。その重みをかみしめました。 ■箕牧智之さん (Q授賞式を終えて今の気持ちはいかがですか?) 「大役が終わってほっとしている。これからも私たちは老体にむち打ってがんばっていきます」 (2024年12月11日放送)