かわいい悪魔「タスマニアデビル」が絶滅の危機に 多摩動物公園で展示中
動物保護の意識を高めるきっかけに
飼育開始に向けて、多摩動物公園では、オーストラリアでタスマニアデビルの飼育経験者にアドバイスを受けるとともに、永田さんを含む2名の担当者が座学やオーストラリアでの実習で必要な知識を学んだ。 オーストラリアからやってきたのは、「マルジューナ(先住民族の言葉で『星』の意味)」と「メイディーナ(同『影』の意味)」の2頭。ともに3歳のメスで、6月11日から一般公開した。 タスマニアデビル舎の前を通りかかった来園者は、寝そべる2頭を見て、口々に「寝てるね」、「暑いのかな」などと話していた。青梅市から14歳の妹とともに来園した20歳の姉は、お目当てのタスマニアデビルが寝ている姿を見て、「もう少し早くきたら起きている姿が見れたのかな、でもかわいい」と笑顔に。立川市の50代男性は、「あんなに小さいのか。ネットで見た印象とは違うなあ」とつぶやいていた。
タスマニアデビル舎には、伝染病によって絶滅の危機に瀕している状況などを説明するパネルも掲示している。永田さんは、「皆さんには、思ったよりもパネルの中身に興味を持ってもらえています」と話すとともに、「実物のタスマニアデビルを見てもらうことで、どうすれば動物を保護できるのかを考える良いきっかけになれば」と期待を込めた。 (取材・文:具志堅浩二)