「1日で3000万円溶かす」「闇金返済に追われて自殺」 高校生にまで被害が及ぶオンラインカジノと低年齢化するギャンブル依存症。追い込まれた彼らが手を染めるのは…
LAドジャース・大谷翔平選手の元通訳・水原一平氏の違法賭博疑惑が世間を震撼させている。水原氏に約6億8000万円の借金を抱えるほどの破滅に追い込んだギャンブル依存症だが、昨今は患者の低年齢化が進んでいるという。その一因がオンラインカジノだ。一体、ギャンブルに染まる若者たちは、どのように転落してしまうのか。 【画像】3000万円を溶かして闇バイトに手を染める高校生も…
闇金の返済に追われ自殺
「親族や親戚の口座から、合計3000万円が引き出され、家を売ることになりました」 「お金を渡さないと、息子が暴力を振るうため、怖くて家に帰れません」 公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」のもとには、上記のような相談が次々と寄せられる。いずれもギャンブル依存症に陥った10~20代が、金銭面でのトラブルを抱えたことが発端となり、家庭崩壊につながってしまったケースだ。なかには法外な利子をとる闇金業者に追われ、自殺してしまったケースも報告されているという。 こうしたトラブルは近年頻出しており、2022年に寄せられた相談の4割以上は、20代によるものだったという。 「ギャンブル依存症の低年齢化が進んでいるのは、オンラインカジノによる影響が大きい です。オンラインカジノはスマホから24時間プレイできるため、コロナ禍を機に利用者が 急増し、アクセス数が100倍近くなったプラットフォームもありました。 さらに有名サッカー選手が広告塔になっていたり、YouTuberがプレイ実況動画を配信していたりと、簡単に認知できてしまう現状があります。そこから興味本位で始めた若者が、どんどんと沼にハマってしまう。若ければ若いほど、短時間で大金が動く刺激から離れられず、ギャンブル依存に陥る危険性が高くなります」 そう語るのは、公益社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」代表の田中紀子さんだ。 実際に、YouTubeでは、オンラインカジノを実況している動画は無数に出てくる。その大半は、動画の冒頭に「オンラインカジノを宣伝・推奨する動画ではない」と警告しているものの、蓋を開けてみれば射幸心をあおるようなコンテンツばかりだ。また、アスリートが宣伝していることで、合法プラットフォームだと思わせる側面もある。