〝史上最大〟の台風10号接近…高齢者のホテル避難相次ぐ 3密回避のコロナ下で浸透「プライバシー守られる」 鹿児島県内
非常に強い台風10号が接近した28日、鹿児島県内のホテルには多くの避難者が身を寄せた。新型コロナウイルス下の3密回避のために浸透したホテル避難。8日には県内で最大震度5強の地震が発生したこともあり関心は高く、受け入れる宿泊施設は対応に追われた。 【速報=台風10号】鹿児島県・薩摩地方に線状降水帯発生
志布志市のホテルポラリスには27日から、近隣住民のほか隣接する串間市からも高齢者や家族連れが避難する。台風が県内直撃コースに進路を変えたころから問い合わせがあり、28日には約15組が宿泊した。 地震を受け、自宅周辺の地盤の弱さなどを心配する遠方の家族から説得されて避難した客もいるという。春田敬伸支配人(64)は「スタッフの安全を守りつつ、最大限受け入れていきたい」と話す。 鹿屋市のホテルこばやしは28日、全45室の8割が埋まった。宿泊客は70~90代の高齢者が目立ち、全員が避難目的だった。小林省三社長(61)は「地震の影響で、防災意識が高まっているのでは」と推測する。 同ホテルは安全面を考慮して通常よりチェックインを早め、宿泊客に食料や懐中電灯を配布。高齢者が多いことから万が一に備え、全従業員が寝泊まりして対応する。小林社長は「安心安全に過ごしてもらえるよう万全を期したい」と力を込める。
鹿児島市のホテルユニオンでも、台風接近前から避難を希望する客からの問い合わせが相次いだ。28日夕には、全43室の約8割が高齢者を含む家族連れを中心とする避難客らで埋まった。 淵村文一郎社長(65)は「避難所よりホテルの方がプライバシーが守られ安心できると思う。災害時は活用してほしい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島