歴史ある旅館が豪雨災害で解体…それでも女将は前を向いた|STORY
朝7時半に、自宅から子どもと愛犬を連れて旅館に。消防から高いところで避難するよう指示され、宿泊客2名と家族で屋根の上に移動し、救助を待ちました。
ラフティングボートに救助され、詰め所に着いたのは16時半でした。
テレビ番組「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」での作業風景。
綺麗な湧き水が戻り、不思議なことに鯉も居ついてくれていました。
皮膚科の帰りに見たダブルレインボーに背中を押されました。
市の仮設商店街でお惣菜店を営んだころ。
「新築したての自宅を公費で取り壊してもらったのですが、申請書を書いているときは、とても空しい気持ちでした。感情を封じ込めないと、前に進めませんでした」。
以前の家。
再建した家はコンクリートの土台でかさ上げ。 新築した旅館は、この先万が一被災しても、安全で、復旧しやすいように、客室や厨房は2階に。1階は温泉へと生まれ変わりました。コロナ禍もあり、少人数でくつろげるよう、設計しました。 ○ 能登半島地震 被災者の方々へ 今は無理と思っても、必ず立ち直れます。人は、他人も自分も癒せるんです。 <編集後記>白蛇や座敷わらしがいる縁起のいいお宿でした 座敷わらしが出るという噂が昔からありましたが、新築後も出没すると口コミで評判になり、テレビ取材が来たそうです。実はこの日も、ロビーでお話を伺っている間、私の湯呑茶碗がずっとカタカタと音を立てていて、わらしさんに会えた!と密かに喜んでいます。また、敷地内には古くから白蛇が住んでいるそうで、本当に縁起のいいお宿です。(ライター 秋元恵美) 撮影/BOCO 取材/秋元恵美 ※情報は2024年4月号掲載時のものです。