【漫画】魔女の生き残りである“青年”、万能アイテム“魔女の杖”を探す過程である少女と出会う…明かされる衝撃の事実に「発想が面白い」と反響
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『魔女リュシアンの証明』(KADOKAWA)から、生き残りの魔女の青年が“魔女の杖”を探す中である少女に出会い、想定外な展開に発展する『魔女の青年と杖の少女が出会う話。』をピックアップ。 【漫画】探し続けた“魔女の杖”、なぜか使えなかったのは男の魔女だからか…まさかの理由に「設定がめちゃ好き」と話題 作者のトナミショウさんが12月14日に本作をX(旧Twitter)に投稿したところ反響を呼び、8000件を超える「いいね」が寄せられ話題を集めている。この記事では、作者・トナミショウさんにインタビューを行い、創作の裏側やこだわりについて語ってもらった。 ■13年前の魔女狩りの真実の手掛かり…やっと見つけた“魔女の杖”が使えなかったその理由とは 立ち入り禁止と書かれたドア。そこに住んでいるのは魔女の青年・リュシアンだ。彼と親しい寅二(とらじ)は一般人で、リュシアンがずっと引きこもり怪しい汁を錬成しているのを気遣って時々訪ねてくる。リュシアンが使う魔女としての魔女術は火をつけるだけで大げさな準備が必要で、ライターでつける方が早い。その様子に「リュシアンを“魔女”と思う人はいない。よくて手品師だ」と寅二は言っていた。リュシアンのように“魔女基盤”を受け継ぐと、特別な材料を複数集めた複雑な工程により完成した薬を飲むことで魔女術を扱える。 リュシアンは13年前にこの国・丹本(にほん)で、手品師みたいな面倒で小規模な魔女術しか使わない魔女に対して、魔女狩りが起こった理由を探し続けている。手元に集まる魔女の情報は年々減り、魔女は自分しか残っていないのではないかと思うようになった。だからこそリュシアンは魔女であることにこだわり続けていた。寅二は今日は冷やかしではなく、魔女に関する情報を手に入れたため商売をしに来たという。それは「魔女の杖」が闇市で未明に取引される情報だった。驚きを隠せないリュシアン。杖があれば複雑なレシピなしで魔女術が使えるという重要なアイテムだからだ。その杖が本物であれば何かしら進展する…と2人は現地に行って確かめることにした。 移動魔女術を使い、杖が保管されている場所にたどり着いた。杖がある場所を探すもののなかなか見つからない。ガセネタか…と諦めたとき、座っていた箱が動く。箱を開けると人身売買のためか、少女が口、手足を縛られて入っていた。リュシアンは彼女を箱から出し、縛っていたものを解いた。同時に寅二が魔女の杖を見つける。リュシアンは本で見たのと同じで、魔力も感じたため本物だと判断した。やっとの出会いに感極まるリュシアン。これで一流の魔女になれると喜んでいると、先ほどの子どもが「リュシアンは魔女なの?」と聞いてきた。質問に答える前に寅二が彼女に名前を聞くとレベッカと答えた。彼女は家に帰れないそうだ。 カッと光が当たり、「そこで何をしている!」と見知らぬ集団が来た。魔女術を使って逃げるリュシアンたち。相手は銃で撃ってきており、弾が寅二の足に当たり歩けなくなってしまった。寅二が「杖を使えよ!レシピなしで魔女術が使えるんだろ⁉」と叫ぶ。リュシアンは杖を手に取って「あいつらを吹っ飛ばせ」と唱えるも何も起こらない…。あっという間に窮地に追い込まれ、自分がまともな魔女だったら男でなかったらきちんと杖を使えたのか?と自分を責めるリュシアンだったが、まさかの事実が明かされ、衝撃の展開に――。 男の魔女と、出会った少女との想定できない展開に「設定がめちゃ刺さる」「こういう作品、大好物」と反響が寄せられている。「描き込みパねぇっす」「繊細で美しい描き込みっぷりに毎回感動しちゃう…」「うまい…」といった本作の世界観を創り、没入させるトナミショウさんの絵柄にも注目されている。 ■まさかの設定に先が気になる展開…読者から反響が止まらない本作 作者・トナミショウさん「(読者を)ひとりひとり抱きしめて回りたいほど」 ――『魔女の青年と杖の少女が出会う話。』の創作のきっかけをお教えください。 主人公の名前や性格は担当さんと作ってきた作品からの引継ぎです。他キャラやストーリーは打ち合わせを重ねながら作っていきました。ちょうど、隠蔽されていた真実が明るみに出る…という事件がニュースで取り上げられることが多く、そこから着想を得て話を膨らませていきました。 ――ストーリー展開はもちろん、絵の細かい描き込みも魅力的で読者からも反響が寄せられ ていますが、本作を創作する上で意識していること等ございましたらお教えください。 作画の面では、とにかく生活感を大事にしています。キャラクター達がそこでどんな生活を送っているのかを想像できるような背景を描きたくて毎話、四苦八苦しています……。壁や地面の汚れ、経年劣化の削れ等、そういった細かなこだわりの積み重ねが生活感を感じさせる背景を生み出してくれると思っています。自分がそういう作画を見るのが好きというのも大きい気がしますね。 ――トナミショウさんにしか生み出せない特別なキャラクターがたくさん登場しますが、キャ ラクターに対してこだわりがございましたらお教えください。 自分はキャラクターを作るのが不得意で、少人数で話を回すような漫画を描くことが多いので、今作はキャラクターの幅を広げよう!を目標にキャラを作っています。こだわりは……性格面でいうとギャップがあると魅力的に見えるなと感じることが多いので、そこを意識しています。あと、嫌な面もしっかり描くとより魅力的に見えるかな、と。どうしても良い子ちゃんなキャラを作ってしまいがちなので、そこは注意していきたいです。 ――「魔女リュシアンの証明」の中で好きなシーンやセリフがございましたら、お教えくだ さい。 9話の主人公の台詞、「全部、全部ッ、嘘だったかもしれねぇ!!」のシーンです。 今まで信じてたものがたった一日でひっくり返ってしまった絶望を、9話積み上げてやっと爆発させられた気がするので、お気に入りです。一度折れてこその成長だと思うので、主人公にとっても大切なシーンでした。 ――今後の目標や展望がございましたら、お教えください。 今は1話でも多く話を続けることが目標です。もっとでかい目標があったら恰好良かったのですが…(笑)。目の前のことに取り組むのがいっぱいいっぱいなので、1枚1枚気を抜かず頑張りたいです。 ――読者やフォロワーの皆さんにメッセージをお願いします。 前作とガラリと作風が変わってしまい、戸惑われた読者さんも多かったかと思うのですが、変わらず読んで下さって応援してくれる読者の皆様には感謝の言葉が尽きません。ひとりひとり抱きしめて回りたいほどです。作品の設定やテーマが重くなりがちなのですが、読んだ後、少しだけ前に進んでみようかな、という気持ちになるような作品を描きたいという思いは一貫して持っています。最後まで読んで頂けたら嬉しいです。今後もどうぞよろしくお願いします。
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