田村瑠奈被告（30）

　札幌・ススキノのホテルで男性を殺害し首を持ち去ったとして親子3人が逮捕された事件で、札幌地検は3月6日、実行役の女を殺人などの罪で起訴しました。 　殺人などの罪で起訴されたのは札幌市厚別区の無職、田村瑠奈被告（30）です。 　起訴状によりますと田村瑠奈被告は2023年7月、札幌ススキノのホテルで、恵庭市の当時62歳の男性を殺害し頭部を切断し持ち去ったとして「殺人・死体損壊・死体領得・死体遺棄」の罪に問われています。

瑠奈被告と両親

　札幌地検は2023年8月から2024年2月28日まで異例ともいえる半年間にわたり犯行当時の精神状態を調べる鑑定留置を実施。 　鑑定留置の結果、札幌地検は田村瑠奈被告の刑事責任を問えるとして起訴しました。

瑠奈被告らの自宅

　一方、瑠奈被告とともに逮捕されていた父親で精神科医の田村修容疑者（60）ついては「殺人ほう助・死体損壊ほう助・死体領得ほう助・死体遺棄ほう助」の罪で、母親の田村浩子容疑者（61）は「死体遺棄ほう助・死体損壊ほう助」の罪でそれぞれ起訴しました。 　起訴状によりますと、瑠奈被告は殺害現場のホテルで、刃物を使用し被害男性の首などを刃物で複数回刺して殺害し、ノコギリなどを使用して首を切断。頭部をキャリーケースに入れてホテルから運び出し、その後、自宅で頭部から皮膚をはぎ取るなどしました。 　父親の修被告は、瑠奈被告をホテルから車で連れ帰り、瑠奈被告が頭部を秘匿することを容認し、瑠奈被告が頭部を損壊する様子をビデオで撮影しました。 　母親の浩子被告は、瑠奈被告から頭部を損壊する様子をビデオ撮影してほしいと頼まれ、修容疑者に撮影を依頼していました。

【事件の経緯】※警察・捜査関係者などへの取材に基づく

【2023年】 ■5月下旬 ・父親の修被告が車で娘の瑠奈被告をススキノに送る →ダンスクラブで瑠奈被告が被害男性と出会う（初めてか） ・修被告もダンスクラブにいた　事件前から被害男性と面識があった可能性 　 この時に”何らかのトラブル”か ■6月上旬 ・瑠奈被告と被害男性が会う（2回目か） ■7月1日午前2時ごろまでに ・瑠奈被告と修被告　自宅近くの小売店でノコギリやナイフなど複数の刃物のほか、スーツケースなどを買いそろえる ・修被告　1人で札幌市内の店でレインコートを購入 ■7月1日午後8時ごろ ・瑠奈被告と修被告　自宅近くの小売店でノコギリを追加購入 ■7月1日夜～2日未明 ・修被告が車で瑠奈被告をススキノへ送る（その後、修被告は一度勤務先へ） →ススキノで瑠奈被告と被害男性が合流　ホテルへ →レインコートを着た瑠奈被告が、浴室で男性を後ろ手に拘束し、抵抗できない状態で後ろから首付近を刃物で突き刺し殺害か。致命傷は肺の近くまで達する深い刺し傷　死因は出血性ショック →殺害直後に、ホテルで男性のスマートフォンを工具で壊し、証拠隠滅を図ったとみられる。複数の刃物で男性の首を切断し持ち去る ・修被告が車で瑠奈被告を迎えに行く →一緒に厚別区内の自宅へ帰る ・数時間後、修被告が車で瑠奈被告をふたたびススキノに送る →瑠奈被告は別のダンスクラブへ ■7月2日午前2時すぎ～同日午後3時ごろ ・3人のスマホを調べたところ「すすきの　殺人」と検索した履歴 ■7月24日 ・警察が死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで瑠奈被告と修被告を逮捕 ■7月25日 ・警察が死体損壊、死体領得、死体遺棄の疑いで浩子被告を逮捕