松尾潔「諦めの気持ち」政倫審の茶番ぶりに苦言
自民党の裏金事件をめぐる衆議院・政治倫理審査会は、岸田首相まで出席したにもかかわらず、ほとんどゼロ回答といっていい内容だった。音楽プロデューサーの松尾潔さんは3月4日に出演したRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』で「あまりの茶番ぶりに諦めの気持ちを抱きかねない」と苦言を呈した。
裏金議員たちが「いいかげん」だということだけは十分伝わった
僕は政治のプロフェッショナルではありませんが、それでも僕の立っている場所から見ても「これはいかがなものか」ということがたくさんありました。それは岸田内閣の支持率の低さに表れていると思います。JNNの世論調査でも政倫審について「説明責任を果たしていない」と回答した人が86%。これが内閣の支持率だったらどんなに良かったことかと皮肉の一つも言いたくなります。 あんな説明で納得できる人がどれだけいるだろうと思いますよね。あれで明らかになったことは「この人たちっていいかげんだなっていうこと」。それだけは十分に伝わった気がします。僕は自営業者で、今まさに確定申告の時期なので、頭の中が「税金、税金、税金」っていう状態になっている時。「よくもこういう話をぬけしゃあしゃあと」と感じました。
「派閥政治」は政策に歪みを生じさせる
僕なりに考えを突き詰めてみると、やはり派閥政治ってよくない、というところに行き着きます。派閥を解消した、という手を取ろうとしていますが、「名前とか表面上の見せ方とかを変えただけで、結局残っているんでしょ?」っていう疑念だけが募った政倫審になったという気がします。 派閥政治のどこが悪いのか、いくつも挙げることができますが、まずは派閥を運営するにあたってお金が必要になること。そして、そのお金をもたらしてくれるのは企業であり、一人一人の国民に先んじる形になってしまうこと。「太客」を大切にするということはつまり、大企業優遇が過ぎることになっているのが現状です。 ここ数年、例えば連合という組織のあり方が問われたりしているのもまさに、この派閥政治が残ってきたことと無縁ではない話だと思います。どういう組織票を取り込むかということに腐心することになるあまり、国民生活の向上というところに必ずしも繋がっていかない。つまり、政策に歪みが生じることだと思うんですね。