トランプ氏の再選で急拡大する「4B運動」とは? "脅かされる自由"に対し、女性たちが悲鳴
アメリカで11月5日(現地時間)に行われた選挙の結果、民主党のカマラ・ハリス副大統領が共和党のドナルド・トランプ前大統領に敗北。今後は大半の州で、MAGA(Make America Great Again、アメリカを再び偉大に)をスローガンに掲げるリーダーたちの価値観に沿って、「反女性、反多様性、反真実」に基づいた政策が取り入れられていくと考えられている。 【写真】メラニア夫人がワースト...? 「炎上ファッション」で話題になった歴代ファーストレディたち アメリカでは現在、トランプ次期大統領とそのチーム、さらに数多くの保守系団体が参加する「プロジェクト2025」などが、女性の権利とリプロダクティブ・フリーダム(性と生殖に関する自由)を完全に規制しようとしている。 こうした自由と権利を守るために声を上げようという呼びかけが増加。主に女性が中心となって続けられてきたが、女性のみならず民主党の支持者が多い「青い州」の住民たちはを含め、これらの新たな政策に懸念を深めるアメリカ国民が増加している。 こうした中、アメリカの女性たちや、彼女たちをサポートする人々の間で、「4B(フォービー)」という活動に参加する人が増え始めている。もともとは韓国の女性たちが主にTikTokを通じて行ってきた活動で、韓国では、家父長制のもとで軽視されてきた女性たちの間で、男性を完全に「排除」しようとする動きが強まった。 「4B」運動は、いまのところまだニッチな活動といえるが、時に過激な動きともみえる。一体どんな動きなのか、ここでみていこう。
「4B」とは?
「B」は韓国語の「ノー」の省略表現。セックス、男性とのデート、結婚、子どもを持つことの「4つの拒否」を表している。 以下、この4B 運動について、知っておくべきことを紹介する。
活動が始まったきっかけは?
主にオンライン上で行われてきたフェミニスト運動で、これらの活動が始まったのは2010年代後半。韓国で女性に対する暴力が急増していた頃だった。男女間の不平等について数え切れないほど多くの問題が発生するなか、当初は小規模だったこの運動をサポートする人々が、韓国国内のみならず世界中で増加した。 韓国では、2016年に23歳の女性が公衆トイレで殺害されるという悲惨な事件が起きており、殺害した男性は「いつも女性たちから無視されてきた。それが腹立たしかった」と供述。罪のない女性が力によって命を奪われたとして、活動が活発化する引き金に。2018年に米国で始まり、急速に世界中に広がった#MeToo運動に関連したものも含まれている。その後、さまざまな文化圏の女性たちが性的暴行や暴力に抗議運動を展開していった。