元宝塚男役スター・七海ひろき、公演中に大階段「落っこちました」ハプニング語る――照明さんの機転に感じた「舞台は総合芸術」
■音楽学校に「七海ひろきはいなかった」!?
(安藤アナ):星組に組替えされた時はどんな思いでしたか。 (七海さん):正直に言うと、ちょっとびびってました。やはり組替えするとなると、自分を知らない人たちの中に入っていくので、『どう思われるんだろう』というドキドキはありました。 宙組は研1の時から12年ぐらいいたのかな。周りも私のことをすごくわかってくれている。そうではない初めての人たちだからこそ、自分から関係を持っていかなきゃと積極的に話しかけていくようになりました。 逆に星組のみんなが「ひろきさん!」「お兄様!」という感じで、どんどん接してくれたので、とても仲良くなりました。 (安藤アナ):七海さんには積極的なイメージがありますが、音楽学校時代は少し違ったと聞いています。 (七海さん):星組に組替えして、同期の壱城あずさちゃんとか一つ下の如月蓮さんとか白妙なつちゃんとかに「音楽学校には七海ひろきははいなかったな」と言われました。(いまの)こういう振る舞いの存在はいなかったらしいんですよ。当時はわりと同期の中でも声も小さくて。
(中島アナ):実はそのことをよく知っていらっしゃる同期の元雪組トップスター・望海風斗さんからコメントをいただきました。「動きもアザラシみたいで手をパタパタさせながら一生懸命しゃべっている子というイメージでした。でも組替えしちゃってからはびっくりするくらいアザラシの面影がなくなっちゃって『ひろきお兄様』とか呼ばれちゃって。悲しくもあり、でも何か覚悟のようなものが見えて、そんなかいちゃん(七海さん)の姿に刺激をもらっていました」と。やはり組替えで覚悟の瞬間があったんですか。 (七海さん):覚悟はしていきました。育ってきた環境とは違うところに行くからこそ、強い信念は持っていかないと、きっと波にのまれてしまうというような気持ちがあったので、ぐっと力を入れて進んでいった感覚でした。
■宝塚で学んだ「度胸と根性」
(安藤アナ):宝塚で学んだことで、今一番生きていることは何でしょうか。 はい、ズバリ「度胸と根性」です。今とても思うのは、いろいろな場面で培った度胸がとても役立っているし、あとは何をするにも最終的には“根性があれば何とかなる”という、力で押し切る部分があるんですよね。これが根底にあれば何でもできるんだなと学びました。 最後は初日に何としても持っていく、強い信念がないと完成しないものなんです。それはきっと、今やっていることすべてに共通するものなんだなということをとても感じています。これからも度胸と根性で頑張ります。 (『アプレジェンヌ~日テレ大劇場へようこそ~(七海ひろき編)』より抜粋・再構成)
◇ ◇ ◇ 『アプレジェンヌ』は日テレNE WS24制作のシリーズ企画。元タカラジェンヌをお招きし、日本テレビアナウンサーで熱烈な宝塚ファンである、安藤翔アナ(妻が元タカラジェンヌ)、中島芽生アナ(宝塚音楽学校を4回受験)の2人が、ゲストの宝塚時代・退団後の生き方に迫ります。