１回、中前に先制打を放つ巨人・岡本和真＝東京ドーム（今野顕撮影）

■巨人３ー２広島（３０日、東京ドーム） 痛烈なピッチャー返しに意地が見えた。巨人の岡本和が一回２死三塁、先制の適時打を放った。追い込まれてからファウルで２球粘り、８球目のチェンジアップを鋭く振り抜き中前へ。「ランナーを返せてよかった」と振り返る一打が決勝点となり、首位の広島相手にカード勝ち越しを決めた。 開幕から全試合で４番に座る主砲は、指揮官から強烈なハッパをかけられていた。リーグ２位の１３本塁打を放つも、得点圏打率は試合前時点で２割２分７厘。６月２９日の広島戦でも得点圏で２度凡退。阿部監督が打順変更を示唆していた。 「なんも思わんかったです」と本人はあっけらかんとしていたが、試合前練習では二岡ヘッドコーチと室内でスイングを確認。「どうしても悪くなると手と体が離れる」という指摘を受けながら、コンパクトな振りを心がけていた。 「一杯飲んで、やっぱ４番だな」と結局打順を変えなかった指揮官は、３打数１安打１四球の成績に「振り回さなくてもコンタクトすればすごい打球が行くのでね」と変わらぬ信頼を口にした。この日、２８歳の誕生日を迎えたチームの柱は「明日から７月なのでね。来月からまた頑張りたい」と短い言葉に力を込めた。（川峯千尋）