「ゲラン」が「ルイーズ・ブルジョワ展」に協賛 芸術と創造性支援の一環で
「ゲラン(GUERLAIN)」は、1月19日まで六本木ヒルズ内の森美術館で開催中の「ルイーズ・ブルジョワ展:地獄から帰ってきたところ 言っとくけど、素晴らしかったわ」に協賛している。同取り組みは、1828年のブランド創業以来、芸術と創造性を重視してきた「ゲラン」の伝統を象徴する。
ブルジョワの作品の中でも特に注目すべきは、1997年に制作した「蜘蛛」。「ゲラン」の象徴的な香水である“シャリマー”の香水瓶が、アーティストの所有物であるオブジェに囲まれたタブローの中に絡み合う。同氏は香りが記憶を呼び起こすことに敏感で、“シャリマー”がお気に入りの香りだとよく言っていたという。
蜘蛛はブルジョワの作品に繰り返し登場するテーマで、家業のタペストリー工房を営み、同氏が“親友”とみなしていた温和で勤勉な実母を象徴している。また蜘蛛は自分の体から巣を作ることから、ブルジョワが自分の体との関係や、自分の内なる不安や感情への反応として芸術を作ったことを表現している。蜘蛛は同氏の自画像でもある。2003年から六本木ヒルズの66プラザには、高さ10mの蜘蛛の彫刻“ママン”を設置している。
作品制作によって
生涯をかけて修復した家族との関係
同展覧会は3章構成で、第1章は「私を見捨てないで」と題し、母親との関係を表す作品を展示した。第2章「地獄から帰ってきたところ」では、父親との関係を見つめ直す作品を展示。最終章「青空の修復」では、彼女の芸術がいかにして意識と無意識、母性と父性、過去と現在のバランスを整え、心に平穏を取り戻そうとしたのかに迫る。
「ゲラン」の名香“シャリマー”
“シャリマー”は、「ゲラン」の3代目調香師ジャック・ゲラン(Jacques Guerlain)が25年に作ったアンバーフレグランス。インドの王室の永遠の愛の物語を着想源に、サンスクリット語で「愛の宮殿」を意味する“シャリマー”と名付けた。ボトルは、シャリマー庭園に流れる泉と優雅な建築からインスパイアされ、ジャック・ゲランの甥レイモン・ゲラン(Raymond Guerlain)が「バカラ(BACCARAT)」と協業でデザインした。