町会行事に若者派遣 金沢市、地域と学生をマッチング 担い手支援盛り上げへ
高齢化で担い手が減少している町会の活動を支援しようと、金沢市は今年度、地域行事に学生団体を派遣する連携事業を本格的に始める。市が学生、地域両団体を「マッチング」する仕組みで、昨年度は市内の朝市や祭りなど5カ所でモデル事業に取り組み、行事の盛り上げに貢献した。学生と住民の結びつきを深め、地域コミュニティーの強化にもつなげる。 計画では、学生側は大学や専門学校のサークルや部活動、学生のまち市民交流館に登録する約30団体、地域側は各校下町会連合会や校下町連が推薦した町会が対象となる。高校生は除く。 5月10日まで、学生団体に専用プラットホームへの登録を求める。同20日から地域団体に情報を周知し、学生団体の派遣について申請を受け付ける。両団体の要望や意向をくみ取り、派遣の可否を決定。打ち合わせを重ね、学生に活動してもらう。 地域団体は学生1人につき1日2千円を支給した後、市から1行事当たり2万円を受ける。 昨年度のモデル事業で三谷、田上両校下町連と連携した北陸大卓球部は「みたに朝市」で売り子を務めたり、田上の秋祭りでみこしを担いだりした。金沢まちづくり学生会議も夕日寺の朝市に関わり、味噌蔵の社会体育大会で盛り上げ役を買って出た。主に金沢工大生でつくる団体「SNOU」は山王町第一町会の夏祭りに参加した。 地域からは「学生と住民の親睦が深まった」「例年より活発で迫力があった。来年も参加してほしい」と好評を得たという。町会と学生の間で、時間など事前の調整が難航するケースもあったことから、市は今年度、先に学生団体を募集して活動内容や時間を明確化することにした。 市の担当者は「学生は活動の幅が広がり、地域とのつながりもできる。地域の活性化に協力してほしい」と話した。