J1町田が首位返り咲き DF望月ヘンリー海輝が〝三笘の1ミリ〟をほうふつさせる好アシストで決勝点
明治安田J1第9節第2日(21日、味スタほか)2試合が行われ、町田がFC東京を2―1で下し、2試合ぶりの白星で勝ち点19として首位に返り咲いた。決勝点は新人のDF望月ヘンリー海輝(ひろき、22)がアシストした。FC東京は同12。名古屋はC大阪を2―1で破り、6試合負けなしで勝ち点16とした。前節首位のC大阪は今季初黒星を喫し、同18の2位に後退した。 2022年W杯カタール大会で日本代表のハイライトとなった〝三笘の1ミリ〟をほうふつさせる好アシストだった。町田は前半25分、DF望月が最終ラインからの縦パスに快足を飛ばして追いつくと、ゴールライン際ギリギリから右クロス。FW呉世勲の決勝弾を演出した。 「自分のストロング(ポイント)であるスピードを生かせて結果を出せてよかった。背後への抜け出しとか強みを出せた」。今春、国士舘大を卒業したばかり。父がナイジェリア出身で192センチの長身サイドバックは、FC東京との〝新東京ダービー〟を制し、満面の笑みだ。 17日のルヴァン杯、北九州戦(○2―1)で好調だった22歳は、これがリーグ戦初先発。U-18、20の日本代表候補となった22歳が規格外の高さと速さを披露した。 チームは第8節の神戸戦(13日)に1―2で敗れて首位陥落。「連敗すれば一気に崖から落ちる。『連敗だけは絶対にできない』」(黒田監督)と「連敗阻止」が合言葉だった。 守備陣は、昨年4月9日の柏戦(当時鹿島)以来約1年ぶりのフル出場となった元日本代表DF昌子を中心に、FC東京の波状攻撃を1点に封じた。新星とベテランがうまくかみ合い、試合のテーマを完遂した。 「新参者として早く『東京ダービー』と呼べるように。町田の名を東京の地でとどろかせることができるか。いろいろな意味で深い試合となった」と黒田監督。堂々と首位の座を奪還した。(一色伸裕)