女性サウナーに捧ぐ! みっちりイラストで全国37施設紹介 イラストレーターの浜竹さん、愛あふれる1冊出版
全国100カ所以上のサウナを巡るほどのサウナ好きのイラストレーター浜竹睦子さん(45)=岡山県玉野市在住=が、各地のサウナ施設を図解イラストでまとめた「偏愛サウナめぐり」(誠文堂新光社、1540円)を出版した。施設の細部まで緻密に描き上げ、1ページをすき間なく埋め尽くす「みっちりイラスト」が特徴。「こんなところまで描くの?」と驚くほど、作者の鋭い観察眼が光る作品に仕上がっている。 【画像】1ページをすき間なく埋め尽くす「みっちりイラスト」はこちら 浜竹さんが「サ道」を歩み始めたのはコロナ禍の2020年。人に会えず、悶々(もんもん)とした日々を過ごす中、知人に勧められたサウナにはまった。2021年4月には、自身のインスタグラムでサウナの情報発信をスタートさせた。昨年、サウナ本のイラストを担当したことをきっかけに編集者から声がかかり、本の出版が決まった。 「ひとり黙々と楽しむ女性サウナ―」にお薦めしたい北海道、東京、長崎県など22都道府県の37施設を紹介。「しっぽりと楽しみたい」「新感覚を味わいたい」といった6つのグループに分けて掲載している。 東京にある老舗銭湯をリニューアルしたスパ施設「PARADISE」は、華やかな彫刻が施された欄間(らんま)や西洋植物の装飾まで細かく表現。現代アートで知られる香川県直島にあるグランピング施設「SANA MANE」では、水風呂代わりに瀬戸内海に浮かぶ気持ちよさそうな描写が描かれている。 薬草とハーブを使った岐阜県の温浴施設「恵みの湯」では、自社栽培されている植物を取材。宮城県気仙沼市にある民宿「唐桑御殿つなかん」では、東日本大震災で津波の被害を免れた小屋をクラウドファンディングでサウナに改装したという情報を盛り込んでおり、施設のこだわりや背景までしっかり聞いて、作品に落とし込んでいる。 アジフライ定食やジビエバーガーなどの各施設の元気が出そうな「サ飯」、サウナに持っていくと便利なグッズを掲載するほか、上下さかさのアクロバティックな体勢でくつろぐ人など、施設で遭遇したさまざまな「珍プレー」を描いたコーナーもあり、くすりと笑える。 浜竹さんは「一般的なサウナのガイドブックとは異なり、自分の視点で面白いと思ったことを描いている。まだサウナに行ったことがない人にも、いろんな施設があることを知ってもらい、その楽しさが伝われば」と話していた。