みずほFG行政処分、実は「大甘」と言える理由
Copyright (c) 2021 SHINCHOSHA All Rights Reserved.
金融庁は悩み続けたにちがいない。システム障害を繰り返した みずほフィナンシャルグループ (FG)への行政処分である。結局、金融庁は11月26日、「経営責任の明確化」を迫り、坂井辰史・同社社長などを引責辞任に追い込んだが、そこには、金融庁の苦しい胸中が垣間見える。 年間8度という前例を見ないシステム障害の発生から透けて見えたのは、取締役会の機能不全ぶりだった。金融庁は極めて厳しいトーンをもって「日本の決済システムに対する信頼性を損ねたと考えられる」と行政処分の文中で断罪した。 銀行にとっての決済ビジネスは、たとえば、宅配業者の宅配事業と似ている。今回の出来事は、宅配業者がたびたび宅配不能の事態を引き起こしたのと等しい。さらに言えば、宅配という物の流れの裏には代金支払いというカネの流れがあり、それを担っているのが決済である。したがって、決済不能は、モノの流れの問題にも発展しかねない。
本文:3,164文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
浪川攻