中川酒造とタレント吉川さん コラボ酒造り始動 鳥取 昔ながらの「酛すり」体験
老舗酒蔵の中川酒造(鳥取市立川町2丁目)が、日本酒愛好家のタレント・吉川亜樹さん(34)とのコラボレーションによる酒造りを開始した。吉川さんが5日、酒蔵を訪れ、伝統的な酒造りの一端を体験した。 関西を拠点に活動する吉川さんは熱心な日本酒愛好家としても知られ、イベント企画や日本酒販売サイトの運営など多方面で活躍する。オリジナルの日本酒づくりに挑戦しようと、中川酒造の親会社の伝統蔵(静岡県)に相談したところ、幻の酒米と呼ばれる「強力」を使い、昔ながらの「生酛(きもと)造り」ができる中川酒造を紹介された。 この日は仕込み前の酒母(しゅぼ)をつくるために、蒸した米をつぶす酛(もと)すり(山卸し)が行われた。吉川さんは杜氏(とうじ)の原田慎さんの指導の下、かいを使って蒸した米と水を丁寧にすりつぶし、重労働とされた昔ながらの酒造りを体験。その後、酒瓶やラベル、味わいなどについて打ち合わせした。 吉川さんは来年1月のもろみ造りにも参加する予定で、酒は熟成期間を経て2月下旬ごろに完成する。4合瓶で約400本製造し、「生酛純米吟醸 強力亜樹」と名付けて吉川さんのサイトなどで販売する。 吉川さんは「普段飲まない人が飲むきっかけとなるような、力強くてきれいな後味のお酒にしたい。鳥取を世界に発信できれば」と意気込んだ。
日本海新聞