水温計測、塩素消毒…教員のプール管理「水泳授業の民間委託」で負担に変化は?体育主任に聞いた
◆教員の負担も大きいプール管理。水泳指導を民間委託する学校の実情とは
小学校のプールで誤って水を出しっぱなしにしてしまい、教員が賠償を求められる――。そんなケースが、全国で相次いでいるという。 【スクール水着の画像】露出が多く体にフィットしたものが主流だった 「業務上のミスに対して、個人が賠償責任を負うべきなのか?」と疑問を抱く声も耳にするなか、学校でのプール使用に伴う教員の業務負担の大きさにも注目が集まっている。 水泳指導はもちろん、プールを使用する前後の点検や緊急時の対応などを教員がすべて引き受けているのだ。そんな状況を鑑みて、水泳指導を民間のスイミングスクールに委託する学校が増えている。 体育主任を務める附田賢一先生が勤務している長野県の公立小学校では、5年ほど前から水泳指導を地域のスイミングスクールに委託しているという。それによって、教員の負担や児童の様子はどのように変化したのだろうか。
◆授業はインストラクターが担当。発達段階に合わせた水泳指導が可能に
附田先生が勤めている学校では、プールの老朽化により授業ができる状況ではなくなったことがきっかけで、市内でも早い段階で水泳指導を民間に委託することになった。 1~4年生と5、6年生で使う施設が違い、それぞれの発達段階に合わせた水泳指導が受けられるという。 「5、6年生が使う施設には、波のプールや流れるプールがあるので、海や川で流されたときを想定した学習もさせてもらっています。また、両施設とも室内の温水プールなので、天候や気温の影響を受けず、児童たちも落ち着いた状態で水泳学習ができます。」 さらに、授業はスイミングスクールのインストラクターが担当するため、教員は水泳指導以外の部分で児童と関わることに専念できる。 「施設まではバスで移動するので、基本的には学級担任や特別支援学級の担任、場合によっては支援員も添乗します。施設についてからは、着替えやシャワーの誘導をしたり、集団での行動が難しい子の個別対応をしたりしています。インストラクターの方も複数人で対応・指導してくださるので、とても手厚い環境で水泳学習ができています。」