国家公務員の「年収」と「退職金」ってどれくらい?仕組みはどうなっているの?
国家公務員は、国のあらゆる機関で国民にとって頼りにされることが多く、社会的な信用も高い、やりがいのある職業です。加えて、給与面で安定しているというメリットもあります。さらに国家公務員の給与や退職金は、経験年数に応じてアップしていく場合がほとんどです。 そこで今回は、国家公務員の給与の仕組みや、支給実績をご紹介します。
国家公務員の給与の仕組みとは
国家公務員の給与は、法律によって定められた俸給と諸手当で構成されています。俸給とは、民間企業でいう基本給のようなものであり、職種ごとに職務の難易度や責任の重さに応じて決まっており、経験年数が増えるほど上がっていく仕組みです。 また俸給に加えて、以下のような諸手当も支給されます。 ・生活補助給的手当 扶養手当・住居手当・通勤手当・単身赴任手当 ・地域給的手当 地域手当・広域異動手当・特地勤務手当・寒冷地手当 ・職務の特殊性に基づく手当 俸給の特別調整額・管理職員特別勤務手当・特殊勤務手当 ・時間外勤務等に対して支給する手当 超過勤務手当・休日給・夜勤手当・宿日直手当 ・賞与等に相当する手当 期末手当・勤勉手当 ・その他 本府省業務調整手当・初任給調整手当・専門スタッフ職調整手当・研究員調整手当 国家公務員は、公共の利益のために働いているため、労働基本権が制約されています。労働基本権とは、団結権・団体交渉権・争議権の「労働三権」のことです。その代わり、人事院が国家公務員と民間の賃金を調査して、両者の給与水準が大きくかけ離れすぎないように調整しています。
国家公務員の給与の支給実績をご紹介
国家公務員の給与については、人事院の公式サイトなどから確認できます。2023年1月現在の平均俸給額を経験年数別にまとめると、表1の通りです。 表1
※人事院「令和5年 国家公務員給与等実態調査 報告書」を基に筆者作成 俸給に諸手当とボーナスを加えて、年収が決まります。表1から、国家公務員の給与は、経験年数に応じて上がっていることが分かります。 ■国家公務員の退職金はどのくらい? 国家公務員の退職金も、経験年数に応じて上がる仕組みです。2021年度中に退職した常勤職員のデータを基に、経験年数別の平均支給額をまとめると、表2の通りです。 表2