今の20代「Z世代」は残業時間をどう捉えているか「古いと感じる仕事の価値観」とは?
幼い頃からデジタル技術に触れてきたZ世代と、アナログを多く知る現在の30代・40代とでは、どのような違いがあるのでしょうか。本記事では、Z世代の持つ価値観とともに、残業時間の実態調査結果をまとめました。特にZ世代と、30代・40代とでは、異なる傾向を示していますので、順を追って説明していきます。 ▼毎日「8時50分」から朝礼が! 定時は9時だけど「残業代」は請求できる?「義務」か判断するポイントとは?
Z世代とは?
Z世代とは、インターネットやIT技術がすでに身近な存在として確立する時代に生まれた、いわばデジタルネイティブの世代です。おおよそ1990年代半ばから2000年代初頭に生まれた方々が含まれています。 Z世代は、幼い頃からスマートフォンなど、インターネット通信が可能なデジタルデバイスを日常的に使いこなしている点が特徴です。そのため、インターネットを通じてたくさんの人々と交流する機会が多く、コミュニケーションスキルも高いといわれています。 この特徴は、アナログを知る世代にはないもので、「Z世代の考えていることが分からない」方がいても不思議ではありません。
Z世代の特徴3点
Z世代はデジタルネイティブであるがゆえに、以下の特徴を持ちます。 ・自分らしさを重視する ・現実主義で安定志向がある ・「モノ」ではなく「経験・体験」を求める Z世代は、スマートフォンやSNSの浸透により、多くの情報に触れています。そのため、情報や物自体よりも、経験や体験、自分らしさを重視しているようです。加えて、自分を大切にして安定志向もありますので、出世よりもワーク・ライフ・バランスを重要視する傾向も見られます。 これらの特徴を持つZ世代が、実際に残業時間をどう捉えているのか、リアルな調査結果を見ていきましょう。
Z世代の「残業時間」に関する実態調査
クラウドERP「ZAC」を提供する株式会社オロが実施した調査結果をもとに、Z世代の「残業時間」に関する考え方をまとめました。 本調査は、残業時間に関する実態について、IT、広告、コンサルティング業といった知的サービス業に従事する18~29歳の906人に対して、実施されたものです。 ■新しい職場での残業時間の有無を気にする Z世代においては、新しい職場での残業時間の有無を気にする方が全体の8割以上を占めています。逆に考えると、残業時間を気にしないZ世代は、希少であることが分かります。 残業をすれば残業手当はつきますが、収入を増やすよりも労働時間を短くしたい傾向にあると考えられます。この問いでは、残業をしたいのか、したくないのか、はっきりとは分かりません。別の問いに関する調査結果も確認していきましょう。 ■残業を気にする理由は「プライベートの時間が減ってしまうから」 残業時間の有無を気にする理由についての問いでは、プライベートの時間が減ってしまうからと、8割近くが回答しています。これはZ世代の特徴にもある「自分の時間を大切にする」傾向が、色濃く表れているのでしょう。 理由にあがった多くの項目は、残業がないことを望む内容です。残業をして得るお金よりも、プライベートな時間のほうが貴重であることが分かります。 時間は有限であり、残業時間が多いと、プライベートの時間が少なくなります。だからこそ、自分の時間を大切にするZ世代は、残業時間の有無を確認するのでしょう。 ■自由時間の使い方1位は「趣味」 プライベートな時間については「趣味」に利用する方が一番多く、次いで「睡眠・休息」「家族や恋人と過ごす」となっています。 Z世代の特徴として、自分の時間を大切にする傾向がある点ともつながります。そして大半が、趣味に時間を使いたいがために、残業時間の有無を敏感に気にしているともいえます。 ■「古いと感じる仕事の価値観」1位は「上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール」 Z世代が感じる古いと感じる仕事の価値観は、以下の通りです。 1. 上司より先に帰ってはいけないという暗黙のルール 2. 新人は誰よりも早く来て、誰よりも遅く帰る 3. 残業時間は長い人ほど頑張っている これらの結果からも、少ない残業時間を希望して、高いワーク・ライフ・バランスを求めていることが分かります。残業手当よりも、自分の時間を多く望むZ世代の考えが見えてくるのではないでしょうか。Z世代は、雇用契約で決められた時間内で働くことと、多くの収入を得るよりも、成果主義や柔軟な働き方を求めているといえるでしょう。
まとめ
本記事では、Z世代の特徴と価値観を紹介しました。調査結果からも、自分らしさや自分の時間を大切にして、残業が少ない職場を望んでいることが分かります。Z世代を理解するためには、これらの特徴を覚えておくとよいでしょう。 出典 株式会社オロ Z世代の「残業時間」に関する実態調査2023 -タイパ重視のZ世代が古いと感じる「仕事に関する価値観」の第一位は?- 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部