英失業率が6カ月ぶり高水準、予想に反し上昇-雇用者数減少
(ブルームバーグ): 英国の失業率は予想外に上昇し、過去6カ月で最高を記録した。雇用者数が減少し、労働市場過熱の鎮静化を示した。
英政府統計局(ONS)の16日の発表によると、2月までの3カ月の失業率は4.2%と1月までの3カ月の3.9%から上昇。新型コロナウイルス流行によるロックダウンから脱しつつあった2020年以降で最大の上昇だった。
雇用者数は前の3カ月に比べ15万6000人減と昨年8月以来の大きな落ち込み。エコノミストは増加を予想していた。
雇用市場発のインフレ圧力が落ち着きつつあることが示された。一方、イングランド銀行(英中央銀行)が注視している賃金の伸びは依然として高く、6%と前回の6.1%からわずかな低下にとどまり、エコノミスト予想を上回った。
「労働市場の圧力が緩和したことで、イングランド銀は夏の利下げに向けて前進している」とKPMG・UKのチーフエコノミスト、ヤエル・セルフィン氏は述べ、「失業率の上昇は、労働市場の逼迫(ひっぱく)が緩和していることを示している。最初の利下げのタイミングが議論の的となるだろう」と話した。
統計発表後、ポンドは下落し対ドルで0.2%安の1.2422ドルとなった。中銀の利下げに対する市場の見方はほぼ変わらず、年内に2回の0.25ポイント利下げを織り込んでいる。最初の利下げは9月までに実施されると見込まれ、8月利下げの確率はは80%。
原題:UK Unemployment Jumps to Six-Month High After Economy Cools (1)(抜粋)
--取材協力:Isabella Ward、Aline Oyamada.
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Tom Rees, Irina Anghel