宇部にもNYTの波及効果を 好機を生かせ!県央都市と連携推進【宇部】
米有力紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が今年行くべき世界の旅行先として選んだ山口市に注目が集まる中、増加が見込まれる観光客を宇部市内に呼び込もうという動きが始まっている。宇部観光コンベンション協会(柳田英治会長)は、この機に各種体験コンテンツ商品の販売を強化。訪日外国人に地元の魅力を英語で伝えられるように養成した「うべ通訳ガイド」のスキルアップも図っていく。市も好機を生かそうと、県央都市との連携を進めている。 同協会は外国人向けに販売しているコンテンツのPRを改めて強化。小野の藤河内茶園、二俣瀬の永山本家酒造場、万倉の赤間硯の里での体験を満喫する三つの商品を中心に、販路拡大に注力する。佐々木正志主任は「山口の認知度が上がっている今は、外国人の方から検索し、県内情報を取りにきてくれるので、この機に効果的な発信に努めたい」と話す。 同ガイドは、和やかな対話によって、インターネットには載っていない宇部の良さを外国人に伝えるなど、会いに来たくなるガイドを目指した有償ボランティアで、昨年度は3人、今年度は5人を養成。実践経験の少なさが課題で、今後は研修の機会をつくり、NYT効果の波及でガイド依頼が入ったときには即戦力として対応できるように備える。 先月末に同協会の呼び掛けで行われた意見交換会には市観光スポーツ文化部、飲料業や宿泊業組合、タクシー協会が参加し、市内にも恩恵があるように情報共有を確認し合った。同協会の庄賀美和子事務局長は「岩手県盛岡市は2023年の行くべき場所に選ばれて、観光客数が実際に伸びたので、山口市にもかなりの外国人が訪れると予想される。宇部への誘客にもつながるように、関係する業界が一緒になって取り組んでいきたい」と力を込める。 市は、県央連携都市圏域ビジョン懇談会に参加するなど周辺市町と連携して、NYT効果を受けた観光客数増加に取り組む。来年の大阪万博も見据え、訪日外国人獲得に向けた取り組みを強化しており、観光交流課の上田優作課長は「県全体が注目される好機と捉え、市への観光需要の取り込みを図っていきたい」と決意を口にした。