室蘭で「高速バス切り替え」じわり JR北海道、特急割引「ネット予約のみ」に不満 ダイヤ改正1カ月
JR北海道(札幌)が3月16日に行ったダイヤ改正から1カ月が経過し、室蘭では「料金が割高になった」「割引切符はネット予約が必要で不便」など不満の声が上がる。JRは主要特急を全席指定化したことで快適さをアピールしているが、移動手段を都市間高速バスに切り替える動きが出ている。 【動画】現役特急や懐かしの名車も 安平で鉄道模型フェス JR東室蘭駅東口のバス停で降車した札幌市の50代主婦は「JRが高くなったので、高速バスを使うようになった。ネット予約は面倒」と話した。2カ月に1度、室蘭市に住む30代の息子に会うため特急すずらんを使っていたが、ダイヤ改正を機に変更した。
割引切符の購入は、予約サイト「えきねっと」での事前予約が必須となった。特急すずらんの場合、改正前は割引を組み合わせると5230円だった往復自由席が、現在は駅の券売機や窓口で購入すると2倍近い1万440円になる。 札幌行きのバスに乗車した室蘭市の70代自営業の男性は「早めに予約できる時は今まで通りJRを使っているが、急に入った時はバスにしている」と使い分ける。室蘭市は職員の出張に関する運用方針で、新たに高速バスを選択肢とする変更を行っている。 JRは特急ごとの乗車率は公表していないが、発表している3月の利用状況によると、東室蘭―苫小牧間の乗客数は前年同月比97.9%。新型コロナウイルス禍が落ち着き、主要区間で利用者が増える中、微減となった。 一方、室蘭―札幌間で高速バスを運行する道南バス(室蘭)によると、JRがダイヤ改正した3月中旬から4月中旬の乗客数は「前年同時期よりも増えている」。同区間を走る北海道中央バス(小樽)も同様の傾向だという。 札幌の親戚に会うため月に1度、特急すずらんを利用するという室蘭市の70代主婦は「ダイヤ改正前と比べて、車内は空いている印象」と言い、「予約サイトは自分では使えず、娘に予約してもらっている。駅で買っていた時は便利で安かったのに」と残念がっていた。