読みやすいから共感できる文章はどう書く? 「WWDJAPAN」がライティングスクールを開催
2限目は、取材のノウハウとアウトプットにおける鉄則を紹介した後、スタイリスト兼エディストリアルストア店主の小沢宏を招いて公開取材を実施。受講者には、公開取材をベースにインタビュー記事を書く課題を出した。
文章を書く際はまず、ゴールの解像度を高めることが重要だ。「誰に」向けて、「何を」伝え、「どう感じ」「どうしてほしい」のかを明確にし、記事を世に放つまで心に留めておく必要がある。そのゴールのために工夫を凝らし、記事を書き進めていくのだ。事前準備は、「発信したいもの」を見つける作業。想定する読者と彼らに望むアクションを踏まえ、読者が知りたそうなことや、読者に提供したい読後感などを想像しながら質問事項を考える。そして取材は、ギブ&テイクだ。相手の回答に対する感想や、取材中に思い出したほかの事例との比較、相手にとって役立つかもしれない関連トピックスなどを提供しながら取材を進めると、記事の差別化が図れる。記事を書く時は、読者は取材対象者や取材内容について何も知らないという前提で書き始めよう。取材内容を「全部盛り込む」と、結局「何も伝わらない」ため、一番伝えたいことと、それを補うことだけでまとめると良い記事になる。
3限目
共感を誘うメールと取材したくなるプレスリリースの書き方
「ライティングスクール」2日目は、プレスリリースについてのレクチャーからスタート。デジタルメディアの世界では1記事の滞在時間は平均約20秒だが、編集者が1つのプレスリリースに目を通す時間は20秒よりも短い。そのため、マイナーな企業やブランド名をメールタイトルに記すのはもったいない。また、「豪華セレブが来場!」より「●●や◇◇が来場!」のように具体性を持たせることで、編集者が手を止めるメールになる。プレスリリース本文は、端的かつ簡便に書くことを心掛けよう。冒頭に概要を数点列記し、「逆三角形」の構造でまとめると良い。
また3限目は、「WWDJAPAN」や「FASHION NEWS」「流行通信」などでファッションを担当し、現在はフリーランスのエディター兼ライターである粟田真紀子がゲストとして登壇。記事とプレスリリース、両方の執筆の経験から、取材したくなるプレスリリースの書き方を具体例を交えながら伝授した。