手術か否か?レ軍がダルビッシュの治療方針決定を延期
右肘靭帯の部分断裂のため長期離脱が心配されているレンジャーズのダルビッシュ有(28)の手術を行うか否かの最終結論の決定が延期されることになった。CBSスポーツの電子版やスターテレグラムの番記者のツイッターなど複数のメディアが、現地時間の11日(日本時間12日)に「水曜(11日)には結論を出さない見込み」「方針発表は延期」と報道した。 レンジャーズのサド・レビンGM補佐の話として伝えたもので、当初、ダルビッシュは、ニューヨークでトミー・ジョン手術の権威であるメッツのチームドクターのデビッド・アルチェック医師の診察を受け、そのセカンドオピニオンを聴いた上で、今後の治療方針を11日(日本時間12日)に発表するとしていたが、「11日には、まだ最終結論は出せない見込みだ」という。 昨夏以来、肘を痛め戦列を離れていたダルビッシュは、キャンプを順調に滑り出していたが、先発した5日のオープン戦で右腕の上腕部に異常を訴えて、わずか12球で降板した。その後、MRI検査を受けたところ、右肘靭帯の部分断裂が発覚。米国では一般的に血流が悪く自然治癒しない靭帯を断裂した場合、できるだけ早く移植手術に踏み切るのが一般的で、ダルビッシュも、精密検査を行ったレンジャーズのドクターからは手術を薦められていた。その場合は、リハビリも含めて復帰まで1年半以上かかるために今季の復帰は絶望で、マウンド復帰は、早くとも来年の5月以降になるとされていた。 ただ完全断裂でない場合は、保存療法という手段もあって、昨年、同じく右肘靭帯を部分断裂したヤンキースの田中将大も、アルチェック医師のセカンドオピニオンを聞き、その際、温存治療とリハビリを薦められトミー・ジョン手術を回避。シーズンの終盤には復帰に成功していた。 ダルビッシュは、球団を通じて、「もしシーズンを通して休まなければいけないことになれば残念なことだが、セカンドオピニオンを含め、あらゆるオプションを探っていく」と語っていたが、メッツの同医師のセカンドオピニオンを求めた裏には、もし保存療法が可能ならば、マウンド復帰が早くなる選択をしたいとの意向があったとも考えられている。 レンジャーズは、アルチェック医師の診察結果をまだアナウンスしていないが、11日(日本時間12日)に発表される予定だった今後の治療方針が延期されるということは、手術回避の選択肢が浮上してきたとも推測される。バニスター監督は「ダルビッシュ自身と、球団の決断に任せるが、我々は、彼のロッカーをあけて待っている」と語っていた。レンジャーズの開幕投手候補だったエースは、果たしてどのような結論を下すのだろうか。