ウクライナで戦死した台湾人義勇兵の思い㊦ 親友だった日台兵士がともに犠牲に 「来世があるならば、また友人になりたい」
■「損耗不明」な2万人の義勇兵
台湾の外交部(外務省に相当)によると、ウクライナへの渡航警戒レベルは4段階のうち最も厳しい「赤色」で、「早急な出国」を求めている。
日本政府もウクライナ全土に退避勧告を出し、外国人部隊への参加に自制を促す。日本人延べ数十人が外国人部隊で活動したとみられているが、義勇兵参加は刑法の「私戦予備・陰謀罪」に問われる可能性も指摘される。
ウクライナ側で参戦する外国人兵士にとって、リスクは交戦時の死傷だけではない。ロシア側はウクライナ軍に参加する外国人兵士を「傭兵」とみなし、戦闘員が捕虜となった際の国際法上の権利を与えていないとされる。ロシア側の「みせしめ」裁判で死刑判決を受ける可能性もあるのだ。
ウクライナでの戦闘に参加した台湾人義勇兵の1人、潘文揚さん(25)も「捕まれば、そのまま銃殺されたり死刑判決を受けたりする恐れがある。そうした状況になることは極力避けようとした」と話す。
ウクライナのゼレンスキー大統領は12月上旬、ロシアによる侵略開始後にウクライナ側の兵士4万3千人が戦死したことを明らかにした。一方、ウクライナを支援するため50カ国以上から約2万人が参加したとされる「外国人義勇兵」を巡り、損耗の全容は不明だ。