2年連続未勝利も…他球団が「2ケタ勝てる」と警戒する巨人の変則本格派右腕は
巨人の優勝に貢献した移籍右腕
巨人が5年ぶりのV奪回を果たした19年。前年まで3年連続最優秀防御率に輝いた絶対的エースの菅野が11勝6敗、防御率3.89と安定感を欠いた中、奮闘したのがFA移籍3年目の山口俊だった。15勝4敗、防御率2.91と奮闘し、最多勝、最高勝率(.789)、最多奪三振(188)を獲得。17年は1勝、18年は9勝と期待に応えられなかったが、見事な活躍でリーグ制覇に貢献した。週刊ベースボールのインタビューで、こう振り返っている。 「(19年は)DeNA最終年の16年の感覚に近かったですね。こうしたいと思ったら全部できる感覚でした。例えばフォームがしっくりこないな、じゃあこうしようと思ったらうまくハマる。シーズン中も、ほかの選手の投球動画をランダムで見て『このカーブすごいなあ、どういうふうに投げているんだろう』ってマネしたら思いどおりに投げられて。打たれても明確に原因が分かるから修正できました。肩や肘が痛いときはどうしてもかばいますからね。自分のイメージしたとおりに投げているつもりでも、体が痛みに反応して映像を見ると全然違うフォームになっている。16年の最後に肩をケガして、完全な状態に戻るのに2年かかりました」 「(自身初めて経験したリーグ制覇は)個人タイトルの獲得とは全然違う喜びでした。チームスポーツなので首脳陣、選手、裏方さんを含めたチームスタッフ全員が優勝という同じ目標に向かってシーズンに入る。レギュラーじゃない選手も、調子が良くなかった選手も優勝すればみんなで喜べる。素晴らしい経験をさせていただきました」 高橋礼が2ケタ勝利をマークし、貯金を作るパフォーマンスを見せれば、V奪回にグッと近づく。移籍初登板は開幕3戦目の31日・阪神戦(甲子園)に先発予定。リーグ連覇を狙う阪神に手強い印象を植え付けるためにも、重要な登板になる。 写真=BBM
週刊ベースボール