【卓球】卓球は眠るが勝ち!? リカバリーウエア着用の平野美宇、前夜に動画を見ない吉村真晴、卓球のことを考えない水谷隼
2020年に腰を痛めた頃から、疲労回復のためにリカバリーウェアを着るようになりました
卓球王国最新号の2025年1月号では「睡眠とリカバリー」を特集した。 「睡眠は大事」と言われるけれど、それはなぜなのか。スポーツや実生活での睡眠が果たす役割について、正しい知識を知りたいところだ。 そして五輪メダリストの選手たちに睡眠について聞いてみた。 まずは東京とパリで2大会連続のメダリストになった平野美宇選手(木下グループ)。 「2020年頃、実は腰痛に悩んでいました。東京五輪の代表選考レースで戦っている時には、緊張したり、移動の時差で寝られないことがあって、睡眠があまりとれなくて良いパフォーマンスを発揮できなかったと感じることもありました。その時につくづく睡眠は大事だと感じたと同時に、『プレッシャーに負けたな、寝られなくて負けたな』ということを言い訳にしてはダメだと思い、「それも自分の責任だ、このままではダメだ」と思いました。技術、戦術で負けたのなら納得できるけど、睡眠などのコンディショニングが理由で負けるのは、アスリートとしてはダメですよね。 睡眠の質を高めるために、夜の9時以降はブルーライトカットメガネをつけます。夜ご飯を食べた後などはスマホなどを触ってしまうので、スマホを見る場合でもこのメガネを掛けたり、部屋を間接照明にしたり、お風呂に入る時も脱衣所だけ照明をつけて浴室を暗くして入ります。すべて睡眠のための準備です。 。 また、2020年に腰を痛めた頃から、疲労回復のためにリカバリーウェアを着るようになりました。それまでは機能よりも見た目重視でパジャマを選んでいて、ネットでかわいいものを買っていました。 今では私にとってリカバリーウェアは欠かせないものですが、その頃はリカバリーウェアはシンプルなデザインだし、どうかなと思っていました。一度着たら『よく寝られる』と実感したので、それからはずっと着ています」(最新号よりの抜粋) 次に紹介するのは2016年リオ五輪メダリストの吉村真晴選手(SCOグループ) 「試合前日の夜は動画を見たりすると興奮して寝られなくなるので、寝る前は試合動画やスマホを見ないようにしています。寝る前に動画を見ると、夢に卓球が出てきて「あ! 今フォアにチキータされた!」とかパッと目が覚めてしまうこともあります。寝ている時に試合をしているので、そこから寝られなくなったり、次の日に体が疲れていると感じることがあります。 動画で研究するならば、早めの時間帯に見たり、朝に見たほうが良いですね。しっかり寝た時には、起きたらすっきりしていて、『今日も一日動けるな』と思えます。睡眠は本当に大事ですね」(最新号より抜粋) 最後は、東京オリンピックの混合ダブルス金メダリストの水谷隼さん(木下グループ)。 「全日本選手権の時には緊張で寝られないことがありました。しかし、現役の後半にはそういうこともなくなりました。それはほぼメンタルの問題です。寝られない時というのは、『負けたらどうしよう』『失敗したらどうしよう』『誰かに迷惑をかけたらどうしよう』と不安になるのです。大切な試合の前夜に卓球のことを考えたら、頭の中で途切れることなくそのシーンが出てきます。 解決方法はひとつ。試合の前日の夜には卓球のことを考えない。いつものように、ドラマを見たりしていればいいのです。それは難しいことではあるけれど、2016年リオ五輪の前からそうしてメンタルをコントロールするようにしました」(最新号より抜粋)。 卓球選手は戦術的なことを考えるために、動画で相手を研究することが多いが、それらが睡眠の邪魔をしているようだ。睡眠をしっかりとり、試合本番でパフォーマンスを上げることは昔も今も大切なことだ。 (詳しくは卓球王国最新号、または卓球王国PLUSに掲載)