今年のフジの「27時間テレビ」、日本の歴史をテーマにした狙いは?
シニア層の視聴者獲得も意識
そうした中、今回の「27時間テレビ」では「日本の歴史」がテーマとして選ばれたわけだが、前出のテレビ誌編集者は語る。 「宮内新社長はBSフジ社長時代に時代劇などにも力を入れてシニア層の視聴者獲得に成功していますからね。今回の『日本の歴史』というテーマ選びには、これまで『27時間テレビ』とは縁の薄かったシニア層の視聴者も取り込みたいという思惑があるのではないでしょうか。現実問題、これまでの『27時間テレビ』のようなバラエティー色を好む若い視聴者層はテレビからネットに流れているわけですし、若い人たちよりシニア層の方がテレビの視聴習慣がありますしね」 そのうえでこう続ける。 「宮内新社長は編成や事業部門を歩んできた実務派として知られる人。テレビマンの中には“テレビ村”にどっぷりつかるあまり世間の感覚とずれた意識を持っている人も多いのですが、そういう意味では現実を直視できている人だと思います。実際に『変える・変わる』をキーワードに掲げるなど、現状に大きな危機感を抱いていますしね。『27時間テレビ』で『日本の歴史』を扱うことで、フジの凋落の原因の一つである過去の疑惑や一部の人が持っている良くないイメージを払しょくしようという狙いもあるのかもしれません」(同テレビ誌編集者) とはいえ、インターネット上では同番組について放送前から「フジが日本の歴史を扱うとか嫌な予感しかしない」、「ねつ造して炎上しかねない」など厳しい意見も散見されるが……。 果たして、フジは宮内新体制となって初の「27時間テレビ」で、復活の兆しを見せることができるのだろうか。 (文・橘大介)