ノラ・ジョーンズが明かす、今の自分と正直に向き合った創作ヴィジョン
ツアーの展望、次世代との交流
―ミュージックビデオについても聞かせてください。1stシングル「Running」のMVにはあなたとふたりの少女が出てきます。「あなたのため 走り続けて」と歌われ、ひたすら走り続けている。このMVにふたりの少女を出したのは、あなたのアイデアですか? ノラ:そう、私のアイデア。この曲は何を歌っているのかわかりにくいでしょうけど、説明は避けたい。ただ、若い頃の自分に話しているという解釈がとても気に入っているの。世の中にある多くの曲はロマンチックな解釈のできるものだけど、これはそういうものとは違って、そこも気に入っている。 ―「Paradise」のMVには、「Running」に登場する少女たちよりもさらに若い子供ふたりがあなたと遊園地で遊ぶ様子が映されています。 ノラ:「I watch you fall(あなたが落ちていくさまを見て)」というフレーズが出てくるんだけど、そこからジェットコースターのイメージがわいたの。人生のなかでの浮き沈みのようなものをこの曲で歌っているんだけど。 ―あなたのふたりのお子さんのことをイメージしたところもあったんですか? ノラ:いいえ。これは若い頃の私をイメージしている。私自身のことを想定して考えたもの。ただ、子供を出すことで辻褄が合うんじゃないかと思って。 ―さて、間もなくツアーがスタートします。今回のツアー・メンバーを教えてください。 ノラ:ドラムがブライアン・ブレイド。ギターがサーシャ・ダブソンで、彼女は歌もうたう。それからサミ・スティーヴンス(ブルックリンを拠点とするシンガー・ソングライター)。彼女も歌って、オルガンもプレイしてくれる。シンガーがふたりいてハーモニーを手伝ってくれるし、ドラムはブライアンだから、間違いなく素晴らしいものになるでしょうね。 ―その編成はかなり興味深い。日本でも観られることを期待して待っています。 ノラ:いつになるかわからないけど、私としても早く行きたい。 ―最後にもうひとつだけ。昨年はレイヴェイと一緒にクリスマス・シングルをリリースし、今年の初めにはレミ・ウルフとのコラボレーション曲をリリースしてましたよね。そのように若手のシンガーとコラボする機会も増えていますが、どんな感想を持ちました? ノラ:ふたりとも本当に素晴らしいミュージシャンであると同時に、いい人だった。こうして才能豊かな若い人たちと出会えるのは素晴らしいことであり、刺激も受ける。未来は明るいなって思えるわ。ほかにも気になっているミュージシャンはいっぱいいて、すぐに名前を挙げられないくらい。若いミュージシャンに限らず、ほかの人と一緒に演奏するのは、いつだって楽しいし、刺激になる。だからそういう機会に対して常にオープンな気持ちでありたいと思っているの。
Junichi Uchimoto