勾留中の警視正死亡 「プライバシー保護が求められるなか、見えない空間は出てくる」専門家は監視の難しさも指摘
女性に性的暴行を加えたとして逮捕・起訴された警視正の男が、警察署の留置施設で自殺を図ったとみられている問題で、県警は当時の監視態勢について調べています。専門家は「自殺に使える道具を持たせてはならない」と指摘する一方で、監視の難しさも指摘しています。 【写真を見る】勾留中の警視正死亡 「プライバシー保護が求められるなか、見えない空間は出てくる」専門家は監視の難しさも指摘 17日に死亡した、中国四国管区警察学校の警視正・岩本幸一被告は、マッチングアプリで知り合った10代から20代の女性5人に、警察官であることを明かして性的暴行を加えるなどしたとして不同意性交等などの疑いで4回にわたり逮捕されました。一部の事件についてはすでに起訴され、1月の初公判では「ホテルに行きましたが性交はしていません」と否認していました。 隈元大樹記者 「岩本被告が勾留されていたのは、広島中央警察署です。岩本被告は17日も、日中にこれまでと同様に取り調べに応じていましたが、午後8時20分頃、巡回中の警察官に意識不明の状態で発見されたといいます」 自殺の恐れなどがある「特別要注意被留置者」として単独の部屋で勾留されていた岩本被告。捜査関係者への取材によると、巡回中の警察官が部屋の奥にあるトイレで岩本被告が開閉式の扉を背に、ぐったりとなって座っているのを発見したということです。 トイレには便せんに書かれた遺書のようなものもあり、自殺とみられています。岩本被告は履いていた下着のももひきを首にかけていたといいます。トイレに鍵やドアノブはありませんが、外から中の様子は見えない構造だということです。県警は巡回の頻度など当時の監視態勢に問題がなかったか調べています。 市民は─ 「どうしてそうなったかということは徹底して解明して発表してもらいたいですよね、それだけです」 ■専門家「プライバシー保護も求められる中、留置施設での自殺防止を徹底するのは難しい」 警察庁出身で京都産業大学の田村正博教授(警察行政法)は、留置施設での監視のあり方について次のように指摘します。
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