地方都市在住の友人は片道「220円」で「バス通勤」をしているそうです。自家用車と比べて、節約になっているのでしょうか?
職場への通勤手段がバスと車の2択の場合、どちらを選ぶべきか迷う方は珍しくありません。それぞれに異なる特徴があるため、できれば費用を抑えられるほうを選びたいと思うでしょう。 今回は、片道220円のバス通勤と車通勤ではどちらが安いかを検証します。
バスは片道220円で何キロ走行している?
近畿バス団体協議会が公表した資料によると、バスの運賃には「適正原価・適正利潤」と「変更命令」の2つの規制によって、運賃のルールが定められています。 バスの運賃は運営会社によって異なりますが、上限運賃の基準にあたる計算式は「基準賃率」×「適用区間キロ数」×「遠距離逓減率」です。 基準賃金は運賃を計算するうえでのベース価格で、事業者ごとに支出と収入が見合う倍率に設定します。同資料では例として38円の金額が定められているため、今回の計算ではこちらを採用します。 「適用区間キロ数」と「遠距離逓減率」は、一定キロ数ごとに異なる料金倍率を設定する仕組みです。距離が伸びるほど倍率が下がります。 適用区間キロ数ごとの遠距離逓減率は、表1の通りです。 表1
出典:近畿バス団体協議会「乗合バス運賃制度について2023年3月」より筆者作成 では実際に、走行距離2キロ、5キロ、15キロ、25キロの4パターンで計算してみましょう。 各走行距離の計算式と上限価格は、表2の通りです。 表2
出典:近畿バス団体協議会「乗合バス運賃制度について2023年3月」より筆者作成 上記の距離を見ると、バス運賃220円は約4キロ相当であることが分かります。ただし、上記の計算式は上限であり、バス会社によって実際の運賃設定は異なります。また、「対キロ区間制・特殊区間制・均一制・地帯制」といったエリア別の計算式もあるため、あくまで目安である点にご注意ください。 ■車で4キロ走った場合のガソリン代はどれくらい? 今回のケースでは、片道220円のバス運賃は約4キロ相当と判明しました。今度は、同じ距離を車通勤で走行した場合のガソリン代を計算します。 ガソリン代の計算式は「ガソリン価格(円/L)×走行距離(km)×燃費性能(km/L)」です。燃費性能は車によって異なるため、今回は12km/L、20km/L、30km/Lの3車種で検証しましょう。なお、ガソリン料金は一般社団法人エネルギー情報センターが公表しているレギュラーガソリンの料金単価「174.6円/L」を採用します。 各燃費のガソリン代は、表3の通りです。 表3