赤楚衛二、遠回りしたことが糧になった20代 30代も苦しみながらハードルや壁を超え続けないといけない
◆芳根京子とはドラマデビュー作以来9年ぶりの共演
海斗と対峙する郁弥を演じる錦戸亮とは初共演。「力が抜けていてフラットで優しくて。頼もしい方だなと思いつつ、周りをすごく見られているなという印象があるので、僕も学ばせていただくことは多いと思う」と印象を語る。「お互い野心を持っているけれど真反対な2人が対峙し合うという関係。立ちはだかる郁弥に対して、海斗がどう攻めていくのか。そのあたりが見どころになっていくと思います」と本人も演技のぶつかり合いを楽しみにしている様子。 また、海斗の恋人・朝比奈陽月を演じる芳根とは、赤楚の連ドラデビュー作『表参道高校合唱部!』(TBS)以来、9年ぶりの共演だ。「ドラマデビューした作品でご一緒していた女優さんと共演できるのはうれしい」と喜びを語り、「芳根さんはびっくりするくらい透明感があって。陽月というキャラクターの説得力が半端ないなって思いながら接している」そうだ。 『オモコー』の思い出を聞くと、「当時の僕はまったくドラマについて分かっていなくて。どうやったら爪痕を残せるかってことばかり考えていたろくでもないやつなんです(笑)」と明かし、「本当の学校みたいな感じでしたね。メインの人たちはメインの人たちで集まっていたり、レギュラーの中でも大きく分かれていました。グループに分かれて学校みたいだなと思いつつ、僕はどこにも属さず、いろんな人と分け隔てなくしゃべりたい時にしゃべって、自由な感じでいました。ドラマってこうやって作られていくんだということや、セットの中はこんな感じなんだって客観的に見つつ、全部が勉強でした」と振り返る。
◆3月に30歳に 20代は「遠回りしたことが糧になった」
赤楚も着実にキャリアを重ね、3月に30歳を迎えた。「今回の役は振り回されるところから振り回していくところまで、幅広く演じられるようなポジション。それって若すぎても年がいきすぎてもできないと思うので、今僕の年齢にすごくぴったりだなと思います。ちょうどそのタイミングでこの役をやらせていただけるのは本当にうれしい」と巡り合わせに感謝する。 20代の10年は「もちろんしんどいが9割なんですけど、しんどいことも楽しいこともいろんなことがあった」と振り返る。「自分の成長スピードっていうのは誰と比べるものでもないですが、遠回りしてきたなと思いつつ、遠回りしたところが年齢を重ねていくごとに糧になっている」と語る。「遠回りしたかもしれないけど、この道が正解だったのかなと思いつつ、という20代でした」。そんな中ターニングポイントになった作品として『仮面ライダービルド』を挙げた。「アルバイト生活を卒業できた一番最初のお仕事。あの作品から意識も変わりました。人様に見られる仕事なんだという意識がより強くなりました」。 これから始まる30代。赤楚衛二はどんな俳優になっていくのだろう。「30代も苦しみたいなって思いますね。結局苦しまないと自分の範囲を超えられない気がします。自分の器というか、考え方の深さだったり広さだったり、すべてが経験値かなと思うと、本当にしんどいですけど、ハードルや壁を超え続けないといけないなと強く思います」ときっぱり。 そんな赤楚に欲望の中でも“物欲”=欲しいものを聞いてみた。「全然なくて。なんにもないんですよ、欲しいもの」と答えるが、しかしすぐに、「あ、あった! …ガンプラです。全然あった(笑)。『ガンダムSEED』 のデスティニーガンダムのメタルビルドっていうシリーズのフィギュアが欲しくて買ったんです。でも届くのが7月なんですよ。ずっと欲している状態で、物欲にまみれています(笑)」。そうやんちゃそうな笑顔で教えてくれた。(取材・文:近藤タイスケ 写真:松林満美) 木曜劇場『Re:リベンジ‐欲望の果てに‐』は、フジテレビ系にて毎週木曜22時放送。