サウジとUAE「ポスト石油時代」に向けた鉱業参入
中東の資金力...サウジとUAEの強み
前出のバスカランによれば、サウジもUAEも資金力に不安はない。「今はリチウムやニッケル、コバルトの価格が下がっていて、たいていの欧米企業が新規投資に慎重になっているなか、この2つの国は札束をちらつかせている」 とはいえ、こうした事業へ外資を呼び込むには環境への配慮を含め、いくつもの課題を解決しなければならないだろう。重要鉱物に詳しい英ウォルバーハンプトン大学のハミド・プーランに言わせれば、「採掘の倫理性・持続可能性を確保するには環境的・社会的に厳格な規制が必要であり、特に大量のエネルギーを消費する精製の工程では省エネ化の推進が不可欠となる」。 そのとおりだが、サウジのような国には他国にない強みがある。裏の事情に通じたあるアナリストが言っている。「ああいう国はロシアとも中国とも、アメリカとも同時に商売ができる。これはすごい財産だ」 From Foreign Policy Magazine
クリスティーナ・ルー(フォーリン・ポリシー誌記者)