三菱ＵＦＪ銀行

　三菱ＵＦＪ銀行は１９日から、各地の商業施設内に、個人の資産運用の相談に応じる数日間限定の「お試し店舗」を始める。既存の店舗網では十分に対応できていないとみられる潜在的な富裕層を中心に顧客のニーズを捉え、来年から本格化させる個人向け新業態の出店に生かしたい考えだ。

　第一弾として、長野県軽井沢町のアウトレットモール「軽井沢・プリンスショッピングプラザ」に１９日から４日間、試行店舗を構える。通常の銀行窓口はなく、カフェ感覚で気軽に立ち寄れる場を提供し、全国の店舗戦略を策定する本部社員が相談に応じる。相談を通じ、顧客の属性やどういうサービスが求められているのかを調べる。今後も富裕層の来店が見込まれるエリアの商業施設に重点的に出店する方針だ。

　銀行業界は近年まで、インターネットバンキングの普及を受けた来客数の減少に対応しようと、店舗網を縮小する傾向にあった。しかし、１月から新ＮＩＳＡ（少額投資非課税制度）が始まるなど、資産運用に対する関心が高まる中、直接顧客のニーズを把握できる店舗網の価値が見直されつつある。三菱ＵＦＪ銀も店舗の削減路線から脱却し、個人向けの新たな店舗展開を進める。