BL東京モウンガ 天国の父に捧げるMVP チーム初Vけん引し、レベル&人気上昇に一役 「父の存在大きかった」
ラグビー・リーグワンの年間表彰式が27日、都内で行われ各賞の受賞者が発表された。最優秀選手(MVP)には、初優勝を飾ったBL東京のSOリッチー・モウンガ(30)が初受賞した。新人賞にはSO高本幹也(23)=東京SG=が選ばれた。また、ベストフィフティーンにはBL東京からモウンガ、フッカー原田衛ら5人、準優勝の埼玉からもSH小山大輝ら5人が選出された。 【写真】小さな体で奮闘 功労賞を贈られた東葛・田中史朗 4月に亡くなった天国の父に捧げるMVPだ。壇上でトロフィーを受け取ったモウンガは、仲間らへの感謝を語った後、5秒ほど沈黙。そして「自分が今ラグビーをやっているのは、父の存在が大きかった。彼にささげる賞にしたい」と特別な思いを口にした。 昨秋のW杯でニュージーランドを準優勝に導いた世界的司令塔。W杯終了後にBL東京に加入し、日本でのプレーを選択した。「山あり谷ありの、めまぐるしい6カ月間だった」と振り返る。父の逝去に伴い帰国、一時離脱したこともあった。それでも豊富な経験からチームを引っ張り、前身のトップリーグを含めて14季ぶりの頂点へ導いた。 選手間投票による「プレーヤー・オブ・ザ・シーズン」にも選ばれた。チームメートからの信頼も厚い。フッカー原田は「リッチー(モウンガ)に渡しておけばいいでしょ、っていうのがあった」。主将のリーチも「すごい頼りになった。優勝の準備で何が必要か、本当に僕も勉強になった」と語った。 今季はモウンガだけでなく、コルビ(東京SG)、サベア(神戸)ら海外のトップクラスが来日。リーグ全体のレベルが向上し、年間観客動員数も過去最多を更新した。モウンガは「知り合いの選手には、日本に来た方がいいぞと言っておきます」と笑顔でリーグワンをPRした。